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四家正紀のネオコミュニケーション遊談

Web2.0の境界で振り返る、オンラインマーケティングの10年


10年前からアドセンス的なものは待望されていた

四家
ただ人格そのものを引っ張り出すような、いわゆるインタビューではなくて、飽くまでWebマーケティングについての対談にしたいと思います。あと、この企画を引き受けた理由はもうひとつあって、考えてみると、僕自身がWebマーケティングにかかわるようになって、ちょうど10年なんですね。最初はメールマガジンの広告担当やってたんですけど。一応これは節目かなあと。
渡辺
ネットは一通りワンサイクルが終わったのかも。例えば、インターネットマガジンの休刊とか。垂直統合の総合誌ではさすがにもう状況を押さえられないということで。
四家
競合はとっくの昔に全部撤退しているわけで、あそこまでよく頑張ったと思うんですけど、10年前にはあの3倍くらいの厚さがありましたからね。当時僕が担当していたメールマガジンの広告というのが面白くて。マイクロソフトの広告の下に、鹿児島県でうなぎの養殖をしている業者の広告が入ってたんですよ。並行輸入で宇宙食の販売している会社と、NECみたいなビッグクライアントが枠を取り合ったりとか。なんかそのぐちゃぐちゃ加減が面白かったんですけどね。
渡辺
そう聞くと、Webも随分メジャーに(涙) という感じがしますね。
四家
いや、それがね。いまかなり同じ状況なのが、Googleのアドセンスなんじゃないかと
渡辺
ああ、リスティング広告は確かに似てますね。
四家
つまり10年前に、すでにアドセンス的なものは待望されていたんだろうなと
渡辺
なるほど。
四家
もちろんメディアはそれぞれブランドを持つので、そのブランドに合わせて出稿していくという従来の広告の考え方は通用してきたし、今でも機能していますが、より細かいターゲティングのニーズにはメディア側が応えられなかった。技術がなくて。
渡辺
メディアは基本的に、こういうテクニカルな発想のアプローチ方法をサポートするような技術は持ってないですもんね。且つ、技術を持っている方もどこでどう使っていいかなかなかはっきりと分からない。両者が幸せに出会わないと新しい切り口のものは出てきにくい。
四家
アドセンスは個々のネットユーザーの細かい指向に合わせて広告を出す技術ですよね。ただ唯一、既存メディアを母体としなかった「サーチエンジン」という新しいサービスがサーチワードに連動するバナーを表示する機能を早期に実装していた。
渡辺
言葉に集約して削ぎ落とすことが強制的に行われたから、旧来の「広告媒体」の概念じゃないものが生まれたんだと思ってます。 制約から生まれたもの。
四家
そうそう。

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ツールとして楽しい、それがまず大切

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この記事の著者

四家 正紀(シケ マサノリ)

株式会社カレン次世代ビジネスリサーチ室長。インターネット広告の草創期からWebマーケティングに携わり、現在はカレンにて次世代販促コミュニケーションについての研究活動と、ブログマーケティング・ブロガーリレーションズ案件のプロデューサーとして活躍。寄稿、講演多数。 ブログ カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ

著書

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/07/12 21:16 https://markezine.jp/article/detail/19

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