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四家正紀のネオコミュニケーション遊談

Web2.0の境界で振り返る、オンラインマーケティングの10年


ツールとして楽しい、それがまず大切

渡辺
最近の流れだと、技術がサービス化して、媒体を生むという風に、2.0的には言われている訳ですけど、四家さんってWebマーケティングとかメディアを考えるときに、技術ドリブンで考えてますか?
四家
うーん、ツールドリブンですね
渡辺
ツールもしくはサービス?
四家
そうですね。できればサービスは自分たちで作ったほうが商売にはなると思うんですが。ブログはツールで、ブログマーケティングはサービス。
渡辺
今のカレンの状態ですね。
四家
そうです。
渡辺
情報ビジネスの分類に嵌めると、サービスオペレーターになるんですよね、カレンって。ブログとかメールとか、周辺にあるツールとサービスを上手いこと融合して、使いこなしてパッケージ化して届ける。
四家
そうですね。だから新しい面白いツールが出てきたときが一番楽しい。ブログが出てきたときは嬉しかったですよ。やっと面白いツールが出てきた。
渡辺
最近面白がってるものってありますか?
四家
そうですねー。Writelyかな
渡辺
マーケの視点で?
四家
いや単純にツールとして楽しい。それがまず大切。
渡辺
なるほど。コラボレーションツールやソーシャルソフトの領域は、感覚が根っこから異なってくるはずなので、新しい発想が生まれてくるはずなんですよね、今後。
四家
wiki(注1)はまともに使ったことがないんでよくわかんないんですけど、コラボレーションといってもタグを使う時点で、すでにライブ感に乏しい感じがして。
渡辺
うんうん。非同期ですよね。ドキュメントツールだし。
四家
非同期も最初は便利なんですけど、気がつくと未読のメールがいっぱいたまっているように、非同期なのをいいことに、あっちからもこっちからも情報が押し寄せているというのが最近の状況なんじゃないかなと。
渡辺
もともとは、その未整理加減を整理したいがためのツールなのに(笑)。ところで、Writelyを周囲で使ってて「これはこう使う」「これくらいの匙加減」という共通感覚というもの、つまりはツール上のコミュニケーションルール、文化ってみんなが共有して使えてますか?
四家
わかんないですよね。たとえばRSS(注2)って一体どのくらいの人が、どのくらい有効活用してるんだろう。
渡辺
Feed。そろそろお腹一杯です。(笑)
四家
でしょ?
渡辺
随分前から、「この技術はシンジケーションが鍵」と話していた気がするんですけどねぇ。フィルターと整理が肝ですよ。読むことや蓄積がキーじゃない。
四家
僕がいま、まともに読んでいるのは、自分でブックマークしたはてなブックマークからのFeedだけですね。これをFirefoxのライブブックマークでタイトルだけ読む。
渡辺
そういう方向に行っちゃいますよね。
四家
いっちゃいますね。レベルがちょっと違うのかもしれないけど、Writelyで誰かとドキュメントいじりながら、別にチャットソフトなんかも立ち上げて、誰かとライブなコラボレーションしたほうが、なんか楽しいし、新しい情報を得られたり、発想もわいてくるような気がします。
渡辺
最近、メールでの打ち合わせが億劫なんですよ。みんな送ることには興味あるのですけど、受け取ることを考えてない。MLもそうですけど、発展性を作っていくのって難しいじゃないですか。
四家
余計な前提の説明とか、コンテキストの確認で消耗しちゃう。
渡辺
そう、よほど双方の立場が理解できていないと、相手の言葉に反応して自分の思ったことをまとめておしまい。共通して「いまここにいる」という基盤が無いと、すれ違いばかりになって先に進まない。
四家
そうそう ほんとうにそう
渡辺
いま足りないのは、Writelyみたいなストックツールとフローツールの紐付け。ストックされた文書とチャットログとかメールとのリンク情報って無いんですよね。ハイパーリンクじゃなくてもいいのですけど。作りにくいことは重々承知ですが、あってもよいもののひとつです。
四家
ああ、そうなのかもしれない。僕もチャットしながらWritely使ってたし。
渡辺
1.0ってちゃんと作ってるとその辺が偉大ではあるんですよね。Amazonが素晴らしいのも、一個一個IDがちゃんと振られてコンテンツ単位で流通しちゃうことです。コンテクストが集積しやすくなってる。
四家
別にWebサービス化しなくても、1.0でも自然とコンテクストが集積されていく。
渡辺
サービスはあるけど、どう使っていいか良く分からない。もしくは、気持ちは分かるがいまいち使い勝手が良くなくて諦めてしまうことって珍しくないじゃないですか。何かがちょっと足りないというケース。たいていの場合、機能要件が整理されてなくて、技術ドリブンと、収益ドリブンどっちかに振れるからだと思います。
四家
なるほど。
注1:Wiki
Webブラウザから簡単にWebページの発行・編集などが行なえるWebコンテンツの管理システム。WebサーバにインストールしてWebブラウザから利用する。また、Wikiを利用したソフトウェアもたくさんリリースされている。
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注2:RSS
ブログなど各種のWebサイトの更新情報を簡単にまとめ、かつ、配信するための文書フォーマットの総称。
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これまでの10年を象徴的した、ライブドア事件

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この記事の著者

四家 正紀(シケ マサノリ)

株式会社カレン次世代ビジネスリサーチ室長。インターネット広告の草創期からWebマーケティングに携わり、現在はカレンにて次世代販促コミュニケーションについての研究活動と、ブログマーケティング・ブロガーリレーションズ案件のプロデューサーとして活躍。寄稿、講演多数。 ブログ カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ

著書

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/07/12 21:16 https://markezine.jp/article/detail/19

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