アプリの説明文ではなるべくたくさんの情報を伝える
アプリ名やアイコン、スクリーンショット1枚目でコンセプトやアプリのイメージを伝え、スクリーンショット2枚目以降で機能の説明をしてきましたが、さらにさらに、ユーザーの方々に安心していただくのが説明文のテキストです。
説明文はファーストビューでは最初の4行しか表示されないので、キャッチ的に、どんな魅力や実績があるアプリなのかを提示して、興味を示してもらうようにします。
次に、主な機能の箇条書きや、新着情報、そのアプリで解決できること、すべての機能一覧といった構成で展開します。
「My Heart Camera」、「Pico Sweet」の説明文冒頭では、ユーザーのみなさんに安心していただけるよう、ダウンロード数や、ひと言で伝えられるアプリのコンセプトを記しています。
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Pico Sweet (ピコ・スイート) は、ワンタッチで写真をかわいくオシャレにデコれる新しい写真加工アプリです。
そしてもう一つのテキスト要素として、ユーザーの目には直接触れる部分ではないけれども検索において重要な、キーワードのリストについて説明しましょう。
このキーワード欄は、タイトルや説明文以外に、検索でヒットしそうな関連キーワードを入力しておくためのものです。どんな言葉を入力しておけばいいかどうかは、App StoreやGoogleなどで検索してみることである程度つかめます。
たとえば「写真」と検索すると、サジェストされるワードの中に「写真 こらーじゅ」「写真 編集」「写真加工 無料」「写真 あぷり」など、関連するワードも表示されます。
そこからニーズに近いキーワードを選んでセットしておけばいいのです。けっこう、変換されずにひらがなで検索されることが多い傾向にあると聞きます。
ただ、このとき注意が必要なのは、App Storeでは日本語のひらがな、カタカナ、漢字は別に扱われるということです。ひらがなの「かわいい」をタイトルや説明文に入れているから大丈夫かとおもいきや、「カワイイ」「可愛い」といった、同じ意味だけど文字の異なる単語で検索された場合、ヒットしない可能性があります。
一方で、ユーザーはWebの曖昧検索を期待しているはずなので、狙っているキーワードについては、ひらがな、カタカナ、漢字のすべてのワードを候補としていれておいたほうがいいかもしれません。
さらに、キーワード欄に入力するワード数を稼ぐテクニックとして、「アプリ名欄で使ったワードは、キーワード欄では入れない」ようにしています。
アプリ名にワードが入っていれば、キーワードに入っていなくても検索にヒットすることを確認済みです(ただし、最近ではタイトルにキーワードを入れすぎるとAppleさんの審査で却下される例が増えていますので、注意が必要です)。一方、説明文内のワードはApp Storeでは検索対象になりませんが、キーワードを含めることは重要です。
こうして最終的にできあがるApp Storeのアプリのページは、Web検索にも当然インデックスされます。
ですので、SEOも意識し、説明文にも自然な形でキーワードを使用するとさらに効果的です。天下のアップルさんのページですので検索結果の順位も高いため、Web検索から来るユーザーもかなり多いという印象があります。
多言語化で世界からユーザーをかき集める!
ASOの最後にみなさんにもぜひ体感していただきたいのが、日本だけでない、海外市場です。
「My Heart Camera」、「Pico Sweet」は、前回に海外製アプリを意識してデザインしたとお伝えしましたが、実際、英語版を提供し、ストアの説明文は、日本語、英語を当初から用意しました(「Pico Sweet」はスペイン語と中国語の説明文もあります)。
私たちは、海外の視察を頻繁に行うような体力はまだありませんが、とりあえず、ストアを見ていれば、各国でどんなアプリが流行っているかは見る事ができますので、最低限の情報ながら、全世界にアプリを提供できるわけです。
こうして世界市場に提供しているわけですが、「My Heart Camera」、「Pico Sweet」ともに、日本の利用者数は全ダウンロードの60%~70%です。
次に多いのがタイ、そして台湾、香港、といったアジア諸国です。幸い、写真加工アプリは言語の影響を受けにくいタイプのアプリですので、日本だけでは60万ダウンロードしか到達しないアプリが、世界市場に出すことで100万ダウンロードの大台に載せられる可能性があるのです。
タイや台湾のユーザーも日本のカワイイアプリに注目し、
敏感に反応しているのがわかる

というわけで、今回は私たちが行ってきたアプリストア最適化について説明しました。以下に今回のポイントをまとめます。
- ASOは、サーチエンジンなどのシステムに対して行うのではなく、あくまで人間であるユーザーに向けて行うこと、つまりユーザー像とその行動の理解に基づいて行うことが重要です。
- アプリ名は、人間の視認用と検索エンジンのためのハイブリッド構成で。人に見える部分ではきちんとアプリ名をアピールしましょう。
- アプリのアイコンは、トレンドに寄せつつ、競合と差別化するカラーやテイスト。なによりもユーザーのテンションを高めるものにすべきです。
- スクリーンショットの1枚目で世界観を訴え“ジャケ買い”狙いで。2枚目以降で詳細を説明して背中を押しましょう。
- 説明文も、冒頭でキャッチし安心感を持ってもらい、以降はすべてをさらけ出します。
- 多言語化にチャレンジできるならぜったいやるべき。日本版だけと違って、ダウンロード数がかなり増えます。
最終回では、お金をかけないさまざまなプロモーション方法や、我々が今後さらなるユーザー獲得を目指すための秘策について紹介します。次回もご期待ください!