アプリの評価を高める無限コンボでグロースハック
「Pico Sweet」をリリースしたときは、「My Heart Camera」の広告枠やそれまでお付き合いのあったレビュー媒体さん、そしてSNS上の知人などの手助けなどを集中させることでストアのランク上位に上げることができました。
前述のとおり、ユーザー対象も広げたところから「My Heart Camera」よりもはやく100万ダウンロードを達成しました。
しかし、その後はじりじりと順位を下げ、「Pico Sweet」がカテゴリで20位~30位、「My Heart Camera」もカテゴリ内で140位くらいと低迷していました。
これを打破したのが、2014年5月のアップデート時に追加したレビュー依頼とアイコンのリニューアル、無料スタンプの大量追加というコンボ(合わせ技)です。
アイコンは、iOS6時代の、いまではちょっと野暮ったい印象だったものを、iOS7のフラットなホーム画面にマッチするようにデザイン変更。これにより、休眠ユーザーの掘り起こしをすることにも成功できたと思います。
ストアのランクとダウンロード数が持ち直した

このアップデートによる改善コンボの結果、「Pico Sweet」がカテゴリで5~7位、「My Heart Camera」は18位~22位くらいをキープできるほど盛り返してきました。
これらの経験から、油断をせず、品質を高め続けることの重要性を感じました。よい品質によって、ユーザーのみなさまに信頼・評価をしてもらい、それをさらにアプリの外、世間の評判へとつなげて、新しいユーザーと出会うという“無限コンボ”ができるようになるのが理想です。
第1回からアプリの企画やASO、口コミなどを説明してきましたが、それらすべての要素がどのように関連しているかを図にまとめてみました。私たちもまだ達成できていない部分が多々ありますが、これらの循環がうまく作用すべく設計すれば、宣伝費が潤沢にない状況でもアプリを成長させていけるでしょう。
1,000万ダウンロードはもう確定済み?
2014年7月25日現在、「My Heart Camera」と「Pico Sweet」は累計333万ダウンロードを超え、毎日1万人がダウンロードするほど、ランキングで好位置につけています。この調子をキープすると、1年後には単純計算で700万ダウンロードです。
まあでも、そんなに簡単にはいくはずはありません。iOSも新しくなるし、新端末も出て状況はガラリとかわるはずです。iPhone版も改善を続けますが、現在、Android版の「Pico Sweet」をリリースすべく開発中です。そして、「Pico Sweet」に接続するSNS「Pico Sweet Park」も提供予定です。
「Pico Sweet Park」は、ユーザー同士がデコのテンプレートをシェアできる、これまでにないサービスです。写真を投稿するだけのSNSではありません。
デコが大好きなデコエリートの人は、ハイセンスなテンプレートを作って公開することができ、デコの苦手な人は、ほかのユーザーがつくったテンプレートを使って手軽にデコが楽しめます。このSNSにより、「Pico Sweet」の活用シーンがもっともっと広がっていくでしょう。
スタートアップの仲間募集サイト「Combinator」にて公表中

今回もまた海外のお話をしますが、今まで以上に海外にも市場を拡大しながら、サービスの品質を高めていけば、1年以内の1,000万ダウンロード突破も夢ではないと感じています。
その先の数年後には、数億ダウンロードという目標を掲げています。現在アプリ事業を展開されている皆様、そしてこれから挑戦したいという方々、いっしょにアプリ市場を盛り上げていきましょう。
というわけで、私たちの連載もここで終了です。最後に今回お伝えした内容をまとめます。
- アプリ本来の機能以外に、必ず口コミできる導線を設計しましょう。無理やり感のしない範囲で、LINEやTwitter、Facebookで送りたくなる仕掛けを考えてみましょう。
- プレスリリース送信先リストを用意して、送りまくりましょう。掲載されたメディアの人とは仲良くなっておくと、アップデート新アプリのリリースの際にとりあげてもらえる確率が高まります。アプリ紹介サイトだけでなく、アプリ紹介アプリにも注目しましょう。
- 「予約トップ10」をうまく活用。これからはリリース前の取り組みも重要になってきます。
- 複数の品質向上施策は出し惜しみせず同時に展開。ユーザーからの評価を高める施策は、複数同時に展開することで、単発の場合よりも大きな効果を得られる可能性があります。どんどん質を高めていきましょう。
- スマホアプリ市場はまだはじまったばかり。実は、レッドオーシャンというのは間違いで、市場の広がりや技術、演出面での進化はまだまだ続きます。ユーザーの視点で考えるといいでしょう。
最後までご覧いただきまいてありがとうございました! 次回は、1,000万ダウンロードを達成したときにお会いしましょう。