キャンペーン概要
2013年秋冬に実施された「話せる自販機 GEORGIA」は自動販売機を「馴染みの喫茶店」に見立てた、ユニークなO2Oキャンペーン。無料アプリをダウンロードして、よく使用する自動販売機を登録すると、その自動販売機に近づくたびに、女性タレント扮する「店長」がプッシュ通知で話しかけてくれる。
このキャンペーンの参加者のうち約7割の方がブランドへの親近感を強め、約4割の方が以前よりも自動販売機に行く機会が増えたと回答している。また、メインの製品購買層は30代~40代だが、20代という若年層へのアプローチにも成功したという。今回「話せる自販機 GEORGIA」を担当した、日本コカ・コーラの斎藤敦氏に企画の背景を聞いた。
スタートはユーザーの行動分析
「“いつも使っている自動販売機をどうやったら、もっと使ってもらえるのか”、そこから始まりました」今回の企画を担当した斎藤氏は語る。缶コーヒーの売上チャネルに占める割合は自動販売機とコンビニが特に大きい。特にジョージアの売上は、6割が自動販売機から。しかし近年、自動販売機からの購入が伸び悩んでいるという。そのため、「根底には自動販売機での売上をいかにアップさせるのか、という課題を持っています」と斎藤氏。
自動販売機を使ったプロモーションを企画するにあたり、まずはユーザーの行動パターンを調べた。すると、自動販売機から製品を購入する人は、大体いつも同じ自動販売機を使っていることがわかった。特に缶コーヒーのユーザー層は、通勤している会社員が多い。そのため、休日よりも平日の方が売上は高く、朝や帰宅時など購入タイミングも決まっているという行動パターンが見えてきた。この結果を受け、複数の自動販売機を使ってもらおうとするのではなく、“マイ自販機”として特定の自動販売機での利用頻度を高める戦略を立てることにした。
「理想としては、自動販売機の近くに来たらスマホに情報を届けて、そのままその端末でピッと購入してもらうことです。でも、現状では全てのスマホにアプローチできるわけではない。これでは施策として成立しません。だから今回はブランドロイヤリティの向上を目的にしました」