「週刊ジョージア」に活かされた反省点
今回の取り組みについて、反省点もあったと斎藤氏は語る。「ユーザーをつなぎとめるという側面では、良い結果が出ました。しかし、アプリをダウンロードしてサービスを使い始めてもらうという点では、目標値よりも少し低い結果でした。というのも、アプリを使用するまでにいくつかの設定が必要だったので、その点で煩わしさがあったのだと思います」
「話せる自販機 GEORGIA」では、特定の自動販売機に近づいた時だけアプリが反応する。そのため「マイ自販機」にしたい自動販売機に設置された二次元バーコードを読み取るなど、いくつかのステップが必要だったのだ。仕組み上、仕方がない部分もある。しかし、入口のハードルがもう少し低ければ、もっとユーザーを獲得できたのではないか。斎藤氏は考えたという。
しかし、悪いことばかりではなかった。「ここで得た経験を「週刊ジョージア」に活かすことができました」と斎藤氏。

週刊ジョージアはKADOKAWAと組んだスマホ・マガジン。豊富なコンテンツと、山田孝之さんが様々な働く男に扮した表紙が話題を呼んでいる。「こちらではアプリをインストールするだけで楽しめるようにしたり、TVCMでアプリの登場を告知したりしました。これは、「話せる自販機 GEORGIA」の経験から気付けたことです。すべてがパーフェクトだったとは思っていませんが、実験という意味では本取り組みはとても意義のあるものだったと考えています」
目指すのは『買ってくれたあなた』へのおもてなし
「話せる自販機 GEORGIA」は、社内的にもアプリを使った新しい取り組みだったという。このプロジェクトによって「アプリを使った企画も躊躇なく実行できるという判断ができました。ホップステップという感じで、発展できていると思います」
最後に、これから目指すものを尋ねた。「将来的な話になりますが、NFC(近距離無線通信)などを活用して、より購買に結び付くアプローチをしたいですね。そして、製品を買っていただいたお客さんには、さらにおもてなしをする。ここに取り組みたいと考えています。マスメディアによるコミュニケーションだけでは、実際に『買う』というアクションにつながりにくくなっているなか、スマホを活用して『ジョージアを買っていただいたあなただからこそ、ジョージアもあなたをもてなします』といったアプローチができれば面白いと思います」と斎藤氏は抱負を語ってくれた。
