海外への本格展開、なぜ東南アジア?
編集部:これまでに海外での広告配信はされてきたのですか?
小林氏:はい。過去にもテスト的に配信したことはありました。例えばお花を取り扱うECサイト様のケースがあります。海外に住む日本人に向けて「母の日のお花を送りませんか?」という広告を配信する、といったことを行いました。これは、日本人が多く住む20カ国で配信し、良い結果を出すことができました。
門田氏:そしてこの度、東南アジア最大級のDSP配信システム会社である、Syndacast(シンダキャスト)社と組み、タイ・シンガポール・インドネシア・マレーシア・香港・台湾などの東南アジアで配信を始めました。Syndacast社はオンライン(マーケット)に特化した広告代理店で、3,000万サイトへの配信、1日当たり370億のインプレッションが可能です。ECサイトはもちろん、ホテル・トラベル・航空会社などの顧客を持ち、同社が広告配信を支援した顧客は過去2年でROIが2倍、広告経由の売上が5倍になるなど、目覚ましい成功例を保持している企業です。当社は東南アジアで決済サービスを先んじて提供してきたので、Syndacast社の力も借りて、広告事業もさらに大きくできたらと考えています。
We are delighted to partner with GMO Payment Gateway, Japan's largest online payment gateway company.As Syndacast is a well-established Digital Marketing Company in Southeast Asia, and GMO has about 48,000 E-Commerce merchants, the partnership is about providing leverage and supporting merchants who are expanding their business into the region. With that said, I have high confidence towards our joint collaboration with GMO.
Syndacast社のCEOであるWolfgang Jaegel氏は今回の提携について、「日本最大手の決済事業会社のGMO-PG社と提携がすることができて光栄です。Syndacastは東南アジアで高い評価をされているDigital Marketing Companyであり、GMO-PG社は日本に約48,000ものEC事業者と契約しています。この提携を通じて日本のEC事業者の海外展開を一緒に支援できればと思います。」とコメントを出している。
編集部:なぜ、進出先を東南アジアに定めたのですか?
小林氏:決済事業を始めて20年、お陰さまで当社は一定の実績を残すことができました。さらなる成長を考えたとき、成熟したアメリカやヨーロッパ市場への進出よりも、成長途上の東南アジアへの展開を考えました。現在、東南アジアのEC市場は約1兆円で、これは10年前の日本と同じくらいの規模と言ったところです。
とはいえ、「これから伸びる」市場というだけではなく、例えばタイは現在4,000~5,000億円と、今でも充分魅力的と言える市場なのです。加えて、今後の伸びも期待できますから、進出するには絶好のタイミングだと考えました。
広告費20万円で売上200万、シンガポールのクライアント事例
編集部:現地のクライアントとしては、どのような人をターゲットにするのですか?
門田氏:基本的には、当社の決済サービスの加盟店様の販売をお手伝いします。現地企業がメインですが、日本から進出している、これから進出する企業も想定しています。広告は主に、現地の方への配信を考えています。クライアントにとってのメリットは、Syndacast社の技術力はもちろん、当社を介することで日本のきめ細やかなサービス(言語、詳細な報告など)を享受できることだと考えています。当社が間に入ることで、スムーズな取引を実現できればと思っています。
編集部:すでに現地で進んでいる案件はあるのでしょうか?
門田氏:シンガポールでは、化粧品を販売するECサイト「Best Buy World」のお手伝いをしています。成果としては、20万円の広告費で、200万円の広告経由の売上を達成しました。Syndacast社は、DSPに強みを持っています。今回のケースでは、化粧品を買いたいと思っている20代~30代の女性を選び、広告を配信しました。もちろんリスティングやFacebookの広告も行えますが、やはり、売上につなげられる点が広告主様にご満足してもらえる点だと思います。