それは、Google AdWordsのモバイル広告で表示できるURLが、20文字までだからである。
仮にモバイルサイトのURLが「k-tai.e-research.biz」だとしたら、20文字ちょうどなのですべて表示できる。検索結果がクリックされなくても、ユーザーに憶えてもらえれば成果に繋がり得るのが表示URLである。
だが、もしも「mobile.e-research.biz」だとしたらどうなるだろう?
「mobile.eresearch.biz」「m.e-research.biz」「e-research.biz」など、正確ではないURLを表示せざるを得なくなり、憶えやすいURLを準備した意味がなくなってしまう。
auの2007冬の新モデルとして、ついに待ち受け画面でGoogle検索が出来る機種【注3】が発表され、モバイルSEMはますます盛り上がりを見せている。有力な媒体であるGoogle AdWordsでの取りこぼしを避けるためにも、URLの文字数に気を配って欲しい。分かりやすく、憶えやすく、打ちやすい。そんなURLは有限である。有限ではあるが、今ならまだ間に合う。
【注3】KDDI、au端末の待ち受け画面にGoogle検索窓を設置--ウィジェットにも対応 CNET Japan
リダイレクトは一回まで
モバイルサイト固有の機能として、機種やキャリアの識別が求められる。多くのサイトではUAやIP帯域によって該当ページにリダイレクトする、という手法を取っている。そこで、注意しなければならないのは「リダイレクトは一回まで」という原則である。
SoftBankのほぼすべての端末、そしてDoCoMoの一部の端末ではリダイレクトが連続して3~4回続くとエラーが発生し、読み込み自体が停止してしまうためだ。
広告を出稿した場合、媒体社側がクリック数を計るため、ほぼ必ずURL変換=リダイレクトが行われる。3回以上でエラー発生の可能性が急激に高まるため、安全を考えるとサイト側でのリダイレクトは1回しか行えないのだ。
当然のことだが、成果計測ツールの仕様も考慮しなければならない。リダイレクトによって計測するツールは、積極的な理由がない限りは導入しないのが無難である。あとから他のツールに乗り換えるのは実に手間がかかる作業となってしまう。
SoftBank用の「リダイレクトを行わないURL」とDoCoMo、au用の「リダイレクトを行うURL」を別に用意して出稿するという手段も広く使われているが、五ヶ月連続で純増数首位【注4】を達成し、シェアを着実に増やしているSoftBankへの対応はきちんとしておくべきである。
この点においては今から構築するモバイルサイトが旧 Vodafone時代に構築された先行サイトより優位になり得るが、のんびり構えていたら後出しじゃんけんの有利さは消えてしまう。
【注4】9月の携帯純増数、5ヵ月連続でソフトバンクが首位 NIKKEI NET
ユーザーを集めやすい仕掛けを
どれほどコンテンツが優れていても、どれだけ優れた商品を用意していても、ユーザーが集まらなければ意味がない。いざキャンペーンを打って人を集めようとしたときに、細かい、だが解決が難しい事情で出稿が制限されたり媒体のポテンシャルを十全に活かせないようでは、わざわざサイトを作った甲斐がない。今からモバイルサイトの構築を考えている方はぜひ、URLの長さも意識してサイト構築をしてみてはいかがだろうか。
