全世界へ波及!1,700万回再生を突破したLGのプロモーション動画
マス広告動画については、皆さんもなんとなくイメージがつくと思われますので、ここでバイラル動画の事例をひとつご紹介します。
舞台は会社の採用面接会場。応募者の目の前には、窓が見えます。が、実はこの窓は、84インチの4K対応テレビモニター。ロケットのようなものが空から崩落した映像を見た応募者が、実際の風景だと勘違いして驚く、という内容です。最後に「Welcome to ULTRA Reality」というキャッチが表れ、4Kテレビがもつ映像美を訴求しています。
この動画は2013年9月に公開され、わずか24時間で閲覧数が400万回を記録。そして1年後の2014年9月末の段階で1,710万回も閲覧され、閲覧者の95%が「Like」に投票しました。100万回を超えるのが難しいとされる動画コンテンツの世界で、大きな評価を得た成功事例だと思っています。

当初このコンテンツは、南米の市場に投下したコンテンツでしたため、国別の閲覧数でみると上位にアメリカ、チリ、ブラジルとランキングされております。しかしながら、その下の第4位を見ると、76万ビュー以上の再生回数で「日本」があります。実は、日本法人では今回、ブランドコミュニケションズパートが広報とデジタルマーケティングを担当する部署という特質から、このコンテンツ自体をマーケティングが考えている広告での拡散ではなく、従来からやってきた「広報手法」で展開を試みました。
リーガル上の問題を確認し、PRキットとして動画とビハインドストーリーや画像など、メディア向けに提供するコンテンツを用意したことで、お陰様ですべての民放キー局各報道や制作の担当者からの問い合わせをいただき、また迅速に、かつ十分な内容で情報を提供することができました。つまり、このマーケティング的なの考え方で言うと、このプロモーション自体は、広告・製作費用は0円で、先月末時点で日本からのアクセスは、345万ビュー超えという成果を獲得するに至りました。こういった事例から、マスのテレビCMではない、ウェブ独自の動画コンテンツの活用について、日本でも前向きに検討する兆しが見え始めました。
プランニングにおいて、まずはイシュ―からはじめよ
このような経験もあり、日本法人でも動画広告に着手することになりました。これから、動画コンテンツを使ったプロモーションのプランニング方法についてお話させて頂きます。
- 製品のコンセプト特長を理解
- 販売市場・消費者動向を調査
- ターゲットセグメントの選定
- IMCプラン樹立(施策の設計・媒体の選定)
まずは準備。4つのステップで行います。最初に製品コンセプトの特徴を理解すること、次に販売市場や消費者動向を調査すること、3つ目はターゲットセグメントの選定、最後にプランを樹立します。今回は弊社から7月初旬に発売したスマートフォン「isai FL」を例に、ご説明いたします。これはフルHDを超えた日本初のディスプレイ「WQHD」を搭載していますが、スペックを訴求するだけでは、消費者に製品の良さが伝わらないことが難点でした。

最初に主要イシューをまとめました。例えば当社は、まだ日本国内でのブランド認知が低く、例え広告を見せてもなかなか認知にはつながりません。また競合企業も多く、「isai FL」の発売前に、各社からも同レベルのスペックをもつ新商品が発売されます。さらに消費者の環境として、必要な情報のみを探して得る習慣が一般化しつつあること、また思ったときにいつでもすぐ情報が得られる環境にあることを視野に入れました。

そこで7月の発売を前に、大きく2つの施策を講じました。バイラルムービーの公開と、専門媒体や専門家へのPRです。専門媒体へのPRは、これまでも発売前から行っていました。が、この段階から消費者向けのしかけを行う必要はないのか、専門家の評判が消費者に降りるまで待っていてよいのか、という課題もありました。バイラルムービーは、その解決策のひとつとして投下したものです。
バイラルムービーは、話題のお笑い芸人「日本エレキテル連合」とのコラボレーション動画です。より広い消費者のリーチを獲得し、発売後の認知層の底上げを目的にYoutubeに動画をUPしました。