企業のトップも、SNS上の顧客の声を注視すべき
現代の消費者を取り巻く特徴的なプラットフォームとしてのSNSについても議論された。Dupri氏は、現代のアーティストはSNSで自ら情報発信する人も多いが、ファンの「Emotion(感情)」に訴えかけるようなコミュニケーションをする必要があると述べる。また、「Social Mediaでの人々の声をカスタマーの生の声として、企業のトップも注視すべき」だとDupri氏は指摘。なぜなら、その生の声を軽視することによって、大きな失敗を生むことが今後想定されるとのことだ。Red Envelope社や、Shoe Dazzle社においてもFacebookやPinterestを利用しながら、カスタマーとコミュニケーションをとり、新製品を発表する前の意見をもらったりしているという。

自身のパーソナルブランド構築と、成功し続ける「鍵」を語った。
ストーリー・テリングにおいて重要なことは、消費者に対して彼ら/彼女らに関連する(relevant)な情報を発信し続けることである。そのためには、「一度原点を見つめなおし、なぜ消費者は自社のサイトや店舗を訪れてくれたのかを考える必要がある」(The Limited社、Jenn McClain-De Jong氏)。「テクノロジーの時代から、リレーションシップの時代に移り変わってきている」と、Red Envelope社のTerri Funk-Graham氏は付け加える。確かに現代は非常に情報多寡になっており、さまざまなメディアにコンシューマーは接しているため、話は複雑になりがちだが、だからこそ、顧客離れを起こさせないためにも、データを顧客とemotionallyにコネクトするためのコミュニケーションのツールとして利用し、カスタマーに共鳴(resonate)するメッセージを送っているのかを検討し、顧客とのリレーションシップをより高めていくことが大切になってくるのだ。
ここで、一人でEC企業を立ち上げ、効果的な「ストーリ・テリング」の手法を用いながら顧客とのエンゲージメントを高めている企業を紹介したい。それはECサイト「Nasty Gal」(2006年設立)である。続いて、メインステージでは「NastyGal」の創業者・CEOであり著書『#GIRLBOSS』が大ヒットしているSofia Amoruo氏がゲストの一人として登壇した。