携帯電話で変わった農業ビジネス ”産直”を求められる時代へ
はじめまして、株式会社ベジフルファーム代表・田中健二です。“エキサイティングな革命を起こし「農」と言える日本へ”を企業理念に掲げ、小松菜を生産、年間均一の価格で量販店様、外食関係のお客様へと出荷しています。
生産者である農家がネットショップの運営までやるべきか。この本題を論じる前に、そもそも私が農業法人を始めることになった背景をお話ししたいと思います。それにより、農家を取り巻く市場の変化がおわかりいただけるからです。
私が農業法人を始めたのは3年前のことです。それまでは市場の仲卸として、長らく野菜、果物等の販売をしていました。すでにバブルは崩壊、世間では景気が悪いとされている時期で、量販店が市場でのシェアを拡大していました。
一方で青物市場は、安くて良いものを求める八百屋さん、量販店さんのバイヤーさんなどで活気がありました。市場ごとに相場が大きく異なり、市場間転送といわれる商品のやり取りでそれなりの利益を上げることのできた時代だったのです。
その後、携帯電話の普及でお客様も情報を持つようになり、市場間転送では利益を上げるのが難しくなりました。生産者の顔写真を公開するなど、鮮度や品質の安定を確保して多くのお客様から、産直商品の提案を求められました。
私も、産直商品の開発スタッフになりました。市場で品質と相場のにらめっこする商売から、産地に足を運ぶようになって、180度意識が変わりました。
なぜ、これが捨てられているんだろう?
なぜ、こんなに立派な箱に入れなくはならないんだろう?
農業はなんてハードな仕事なんだろう。
そして、良い商品を安く売るのは間違いで、良い商品を高く売ろう!と思い始めたのです。
経験と知識を総動員すれば、農業でも儲けられる
市場のスタッフから、実際に農業を始めるきっかけとなったのは、千葉県富里市に視察に行ったことです。当地では、中国人実習生を多く雇い包装作業は完全に機械化され、効率の良い農業ビジネスが行われていました。
産直商品開発スタッフとしていくつも産地を見て回る中で、市場流通に違和感を感じていました。質が高い野菜・果物が評価されない一方で、不作などの理由から需要が上回ればそれほど価値がないものでも高値でやりとりされるのです。
これを変えるには、作り手が変わらなければいけない。そして、自分がこれまで経験したことすべてを出しきれば、農業でも儲けられると思うに至ったのです。(続きはECzineで)
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