パートナー企業との連携にも注力
押久保:具体的に、どのようなソリューションを提供されていくのですか?
杉原:今年8月、クラウド型マーケティング・プラットフォーム「Oracle Marketing Cloud」を日本市場へローンチしました。米国ですでに成功を収めているBtoBのマーケティングオートメーションソリューション「Eloqua」、BtoCのクロスチャネルマーケティングを可能にする「Responsys」、ソーシャルメディアを適切に管理できる「Social Cloud」に加え、我々としても相当のインパクトがあると捉えているDMP、「BlueKai」が加わり、どのような業種の企業でも役立てていただける基盤が整いました。
押久保:先にお話に挙がりましたが、それらをCIOだけでなくCMO側へ提案されていくと。
杉原:ええ。トータルでマーケティングを支援できる状況が整ったので、BtoB企業、BtoC企業のいずれにも強力に展開していくつもりです。iPhoneユーザーがすべてのアプリをiTunesからダウンロードするように、すべてをオラクルでお使いいただきたい。それが成果の最大化することにつながります。
同時に、マーケティング領域にノウハウがあり、まさに今お困りのクライアントを抱えているパートナー企業様との提携も進めていきます。広告会社やコンサルティング会社をはじめ、現在約30社と提携しており、今後も開拓を続けます。
それらの会社がマーケティング戦略をサポートされているのなら、当社のソリューションから部分的に効率よく使ってもらえればと考えています。
マーケターが営業のよき女房役になるには
押久保:日本オラクル自身のマーケティング戦略については、どのようにお考えですか?
杉原:本社ではすでに自社ソリューションの「Eloqua」を使ってリードを育て、成果を上げています。日本では、米ほどCMOというポジションが広がっていません。当社もデジタルマーケティング領域に率先して取り組むことで、このような状況を改善できればと考えております。
もうひとつは、既存のIT分野でのお客様へ、付加価値としてマーケティングソリューションを提案していきます。オラクルのデータベースを使っているからこその可能性を、伝えていきたいと考えています。
目標は、デジタルマーケティング領域でのNo.1です。すぐにとはいいませんが、2020年の東京オリンピックのころまでには確固たる地位を築くつもりです。
押久保:特にBtoB領域では、マーケターが確度の高いリードを営業にわたすことが重要になりますが、そこがうまくいかず断絶が起きていることも聞かれます。営業のご経験を踏まえて、そのあたりをどうお考えですか?
杉原:営業の視点でほしいのは「お客様のニーズ」に尽きます。だから、マーケターがそれを精度高く提供できれば、マーケターは必ず営業のよき女房役になるはずです。逆に、中途半端な支援や成約につながらないリードを供給しているようでは営業側の信頼は得られません。「やっぱりダメだ」とますます断絶が深くなります。そうした社内の連携も含めて、企業の持つポテンシャル、またデータのポテンシャルを十分に活かせる支援を私たちはしていきます。
