鮮度が命のマーケティングはもはや“刺身”
押久保:そうした状況を含めて、マーケティング領域に参入するのに“機が熟した”感をお持ちですか?

杉原:そうですね。まず「24時間ネット接続」が実現したことで、企業の側が情報をプッシュするのではなく、ユーザーの側から自分のタイミングで好みの情報にアクセスしてもらう、つまりプル型のアプローチが可能になりました。
それを行うには、自社のお客様の好みを精緻に把握し、適切にシナリオを描く必要がありますが、テクノロジーの進化によって特別な知識がなくても行えるツールも登場しています。
また、当社はデータベース分野ではシェアNo.1を誇り、市場の44%を占めている状況です。データベースが仮想化したことで、できることが格段に広がりました。そうしたさまざまな要素がそろい、いつでも企業が高度なデジタルマーケティングをスタートできる環境が整ったのが、今年だと感じています。
押久保:データベースのNo.1ベンダーであることは、御社のいちばんの強みだと思います。データベース技術とデジタルマーケティングを融合させると、他社にはできないことが可能になると思われますか?
杉原:もちろん、そう考えています。これからのマーケティングは、鮮度が命。まるで刺身のようなものです。スピード感をもって手を打っていくには、24時間体制で顧客とのリレーションを築ける、安定した基盤が不可欠です。
データベースの優位性がデジタルマーケティングでも強みに
押久保:その点には、相当の優位性があるという印象を受けます。
杉原:どれだけソリューションが優れていても、データベースが安定的に利用できず、施策が途中で止まってしまったら意味がありませんから。当社はあくまで、機会損失を起こさないしっかりとした下支えのうえに、さまざまなソリューションを提案できればと考えています。
9月に米サンフランシスコで開催したオラクル主催のイベント「Oracle Open World 2014」にて、会長兼CTOのラリー・エリソンが「今年はクラウド元年だ」と語りました。当社はいろいろなソリューションをクラウドで提供していきますが、クラウドの活用とデータベースの安定的な利用はセットです。デジタルマーケティングを推進するほど、大事なデータは増え、それを常に安全に、格納したり引き出したりする必要性も増します。
その点は、餅は餅屋です。だから、オラクルを選ぶ理由がはっきりしているんです。
押久保:なるほど。説得力のある意見ですね。
杉原:実際に、ラリーは「データベースにいちばん強い会社が台頭する。それはオラクルだ」と先の場で明言しました。また、昨年にはガートナーが評価する「CRMリードマネジメント市場のマジック・クアドランド」にて、オラクルがリーダーに位置づけられました(参考記事,The Hub)。市場からの高い期待も感じています。