導入後の運用で体感した想定以上のメリット
一方で、導入後に運用することでわかったメリットもある。主にはマルチデバイス対応と動画タグの利用だ。かゆいところに手が届く充実した機能を、月額5万円という低コストで利用できているという。
マルチデバイス対応
「動画をアップすると、自動的にマルチデバイス対応の配信ファイルを生成するので、デバイスごとに動画を管理しなくて済みます」(高松氏)。以前は動画コンテンツ用に、Flashを使った動画を作成、Webで公開していたが、スマートデバイスはFlash未対応のため、わざわざ「スマートフォンの方はこちら」と分けて管理していた。
また、グローリーグループでは、社内報動画については朝の決まった時間に一斉視聴するという社内ルールがある。短時間勤務者やその日時に外出などがあれば視聴できなかったが、今はイントラで一定期間配信しているため、「後でも見られるようになったのが良かった」という社員の声も上がっているそうだ。また視聴だけでなく、蓄積された動画コンテンツを別部署でも活用しやすくなるという効果も生まれた。
動画タグの利用
広報・PR観点で成功を収めたエピソードには、同社工場の生産ラインを紹介した動画コンテンツがある。複数のヒト型ロボットが稼働する生産ラインの動画が話題となり、多数の海外ニュースサイトで紹介され、再生回数は瞬く間に1万回を超えた。
「これまでなら、問い合わせをいただいたニュースサイトにDVDを送付する必要がありましたが、動画のタグを先方のサイトに組み込むだけなのですぐに拡散しました。内容が古くなれば、こちら側で差し替えることが出来るので安心です」(西川氏)。
また高松氏も、「タグの利用で簡単に拡散できるのがとても良かった。これは利用して初めて分かった便利な機能です」と絶賛している。
そして海外拠点向けに、英語の再生プレーヤーを提供してもらうなど、同社ならではの要件にJストリームは柔軟に対応していった。このため、英語版のプレーヤー制作が不要となり、コストが抑えられたという。
エンタープライズ目的での動画活用をさらに推進
グローリーが構想していたとおりの運用は実現できているが、実はまだ満足しているわけではない。西川氏は、「もともと構想していたとおり、動画活用の領域を増やしていきたいです」と意欲を見せる。現在は社内での利用が主となっているが、外部に公開できる動画コンテンツを増やし、広報として活用していきたいようだ。
また高松氏も、社内向け動画コンテンツのアーカイブ化が進む中、やはりその一部を外部向けに有効活用したいと考えている。特にイベントや、人が語っているシーンなどは「動画の方が感情や雰囲気などをより豊かに伝えられます」(高松氏)として、こうした分野で動画コンテンツを積極的に制作していく方針だという。そしてこうした動画を社外でも活用できるよう、体制や仕組みづくりに注力しているそうだ。
そして二人が構想していることが、もうひとつある。それは社内ネットワークをより強化することだ。現在、グループ会社と本社が同時にアクセスすると、回線に支障が出るため、一斉視聴はグループ会社のみで本社は別のシステムを使っているという。これを統合し、ネットワークを強化することで、グループ全体がさらに動画を活用できるようになることを期待している。
2014年は動画が注目された年だったが、これからは動画を「いかに使うか」が問われることになる。グローリーそしてグローリーグループは、その点ですでに次フェーズへと進んでいるのだ。