積極的に動画広告を取り入れた日本テレビ放送網
「BEST VIDEO ADVERTISE」を受賞したのは日本テレビ放送網。「日テレいつでもどこでもキャンペーン」において、配信番組中に積極的に動画広告を取り入れた試みが評価された。日本テレビ放送網によると、昨年1月から地上波番組の無料配信を開始。7月から配信番組中に広告を挿入する取り組みを開始し、動画プレイヤーやアドサーバーのテストなどでブライトコーブに協力を仰いだという。
リリース後、追加要件に対する即時対応がいくつか生じたものの、ブライトコーブが迅速に対応したため大きな障害に発展することはなかった。この経験から「ブライトコーブの日本動画市場に関する強い意気込みを感じました」と述べ、今後もブライトコーブのソリューションを活用しつつ、「日本の動画市場の発展に貢献していきたい」と抱負を述べた。
「民放ゆえ、広告による収益化は必須」朝日放送の挑戦
「BEST VIDEO EVENT」は、朝日放送の「バーチャル高校野球」に贈られた。実は朝日放送は、これまで17年間高校野球の動画配信を行なってきたという実績がある一方、2014年は大きな改革に踏み切った節目の年となる。それが番組中のミッドロール広告だ。高校野球といえばNHKの中継を想起する人が多いかもしれないが、実は朝日放送は近畿地方では地上波でNHKと並行して野球中継を行なっているほか、BS朝日では常に中継を行なっている。そして民放ゆえ、どうしても広告による収益化は必須だ。
朝日放送では、バーチャル高校野球で動画広告を配信すると同時に、NHKとは異なるコンテンツ作りに注力することで、配信番組の価値を高めている。一例を挙げると、膨大なデータを分析してここぞというシーンで表示したり、現役の高校野球監督や有名OBを招き、プレーの分析のみではなく、「ゲスト」として選手や監督の立場から感想を聞くなどしているという。
こうした取り組みが功を奏し、ファンを増やしながらも、同社は「ネットの世界で収益を上げるのは、なかなか難しい」と正直な感想を打ち明ける。ただ、このバーチャル高校野球が同社にとって1つのステップとなったと評価し、今後も積極的に新たな挑戦をしていくという。
長編動画で顧客とのコミュニケーションをはかるコクヨ
「BEST VIDEO MARKETING」を受賞したのは、オフィス用品・家具・文具を提供するコクヨの「コクヨチャンネル」。コクヨチャンネルは、同社広報コミュニケーション部が運営するサイトだ。マスコミやユーザーに直接届く自社メディアとして動画を積極的に活用し、これまで2年半の中、製品の特徴や使い方の紹介、提携小売店や本社の歴史など約90本の動画を制作している。
最大の特徴は、ネット動画では異例ともいえる3~4分の“長編”動画であることだ。通常こうしたネット動画の尺は1分半(90秒)で、その完視聴率は10%程度と言われているが、コクヨは長編にも関わらず倍以上の数字を実現している。良質なコンテンツを提供する秘訣は、動画を作成する前提として「視聴者にコンテンツをまず楽しんでもらいたい」という思いをコクヨが持っていることにあるだろう。