ストロー1本で話題化に成功!「セルフィー」に着目した試み
【概要】
キャンペーン名:mustache straws
国名:アメリカ
業種:小売
ブランド名:7-Eleven

上の写真は、米セブンイレブンが販売するシャーベット飲料スラーピーのユニークな販促ツールです。スラーピーについているストローに、“ひげ”のアクセサリーを付ける、というごくシンプルなアイディアです。しかし、InstagramなどSNSに投稿された“ひげ付セルフィー(自撮り)”が話題となり、数多くのインプレッションを獲得。そのほとんどがポジティブな反響だったといいます。
若者を中心に流行している「セルフィー(自撮り)」を前提として考案された商品アクセサリーというわけです。ターゲットに格好の『撮影・投稿ネタ』を提供することにより、話題化を促進した目の付け所が鋭い施策でした。
広告費0円で25万DL!長い待ち時間を楽しく過ごすアプリ
【概要】
キャンペーン名:The fun queue
国名:スウェーデン
業種:レジャー
ブランド名:Liseberg

スウェーデンの遊園地「Liseberg」によるプロモーションアプリの事例です。年間300万人もの人が訪れる同園のジェットコースターは、常に長蛇の列ができるほどの人気ぶり。そのため、長い待ち時間が発生してしまいます。そこで考えられたのが “退屈な待ち時間”を“楽しい時間”に変えるゲームアプリです。
アプリには5種類のミニゲームがあり、どれも制限時間1分間で得点を競うもの。特徴は列に並んでいる人たち同士でスコアを競い、見事1位になった人には、列の先頭に行って、ジェットコースターの最前列に座ることができる権利』がプレゼントされること。このアプリはメディアでの広告を全く打ち出していないにも関わらず、25万件ものダウンロードを達成、175万回もプレイされたといいます。
『待ち時間を検索するアプリ』はいろいろなテーマパークで出されていますが、待ち時間を減らすのではなく『どうせ待つなら、その時間を楽しく過ごしてもらおう』という発想は、ありそうでなかったアイディアですね。アプリを使って「顧客の満足度を向上させる」マーケティング施策でした。
木から電子書籍がダウンロードできちゃう!?
コロンビアの通信会社が仕掛けた“読書率向上”大作戦
【概要】
キャンペーン名:Tree of letters
国名:コロンビア
業種:通信
ブランド名:EPM

南米コロンビアで大手通信会社のEMPが仕掛けたアンビエント広告です。“通信の力で国民の生活をより良いものにすること”を意図して、南米で最も低いコロンビア人の読書率を向上させるために仕掛けたチャレンジです。
コンセプトは、「木の下でしかダウンロードすることができない電子書籍」です。鳥の巣箱の形状をした狭域Wi-Fiを、公園にある木々の1本1本に設置。公園を訪れた市民がその場で電子書籍を無料でダウンロードできるようにして、木の下で本を読ませるきっかけを作りました。
ユニークなのは、それぞれの木に違う本が割り当てられていること。どの本も特定の木の下でしか手に入らないのです。この斬新な取り組みの結果、これまで年に平均2冊しか読んでいなかったコロンビア人の読書率を上げることに成功。通信会社が「木の下で電子書籍を読む」という新しい習慣を作り出そうとした、クリエイティブな取り組みでした。
サッカーを新たな宗教に! ブラジル新興ビール会社の市場参入施策
【概要】
キャンペーン名:FOOTBALL RELIGION
国名:ブラジル
業種:アルコール飲料
ブランド名:Foca

こちらは、ブラジルの新興ビールメーカー「Foca」によるクリエイティブな新市場参入施策。サッカー王国ブラジルではワールドカップはもちろんのこと、ひいきのチームの試合ともなれば勤務中でも試合結果が気になり、地下駐車場や仕事のパソコンでこっそり観戦しているファンも大勢います。
そんなブラジルでは法律で「信仰の自由」が守られており、勤務中であっても“宗教上必要な活動”であれば、席を外して宗教活動を営む権利が与えられているといいます。では、「もしもサッカーが宗教だったら、試合観戦は『サッカー教』の“宗教活動”となり、勤務中であっても、堂々と席を外して試合観戦ができるのでは?」と考え、新しく宗教法人を設立してしまいました。かかった予算はわずか550ドル。
Focaビールは、新宗教である『サッカー教』の公式サイトを開設し、多くのサッカーファンに入信を呼びかけました。信者になると“宗教活動”(=試合観戦)の権利を取得できます。公式サイトに観戦希望の試合を記入すると、サッカー教本部から各信者の職場の責任者宛に「宗教活動のため、勤務中席を外します」との内容のメールが送信され、合法的に堂々と試合観戦に行けるようになるのです。
試合観戦のお供は、もちろんサッカー教の公式ドリンクであるFocaビール。新参ブランドでありながら多くのサッカーファンの注目を集め、“聖なるドリンク”という栄えある地位を獲得することに成功した、規格外の市場参入アイディアでした。日本のサッカーファンにとっては、ちょっぴり羨ましい事例ですね。