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「ずっと見ていたい」メディアとは?AntennaとAdNearが考える「気持ちに寄り添ったアドテク」

キャンペーンで見えた、北海道と福岡の違い

角谷 北海道と福岡の違いを明確化するためにクリエイティブを複数配信したところ、面白いデータが得られました。12時ぐらいに「家事の合間にAntenna」と「今日のレシピはAntenna」という2種類のバナーを配信したところ、福岡の主婦層は昼の12時にCTRがグッと上がる。その後、23時にまたピークが来るんです。おそらく、12時にはその日の夕食のメニューを考えなきゃという気持ちがあって、23時には次の日の朝ごはんかお昼のお弁当のことを寝る前に考えている。

株式会社マイクロアドプラス 第1セールスユニットチーフアカウントプランナー 角谷佳祐氏
株式会社マイクロアドプラス 第1セールスユニット
チーフアカウントプランナー 角谷佳祐氏

 一方、北海道は最初のピークが12時ではなく15時。その後、20時、21時、22時ぐらいにピークが来て、意外にも夜中の2時くらいにまたピークが来るんですね。パーティーラヴァー向けには、「今日の話題はAntenna」と「今日のパーティー何着てく?」というバナーを配信しました。その結果、「何着てく?」のほうは北海道のユーザーにはほとんど刺さらなかった。福岡でも「今日の話題」のほうがクリックされたのですが、「何着てく?」もCTRが高かった。

 エリアごとでは、ユーザーのライフスタイルにちょっとした違いがあります。これを可視化し、ユーザーインサイトに沿ったプランニングがエリア戦略を考える上で非常に重要だと思います。

 従来のリサーチでも可能な部分はありますが、実際に広告配信をしてどのクリエイティブでどんなユーザーが"どこで"反応したか? このリテンションを見ることができる。具体的な場所と時間に落とし込まれた、ターゲットの仮説検証を繰り返すことによって、定性調査や定量調査よりもリアルなデータをもとに、ターゲットのインサイトをつかむことができる。それは他のチャネルでも活用できる、より立体的なターゲット像の構築につながると考えています。

― 今回のキャンペーンの場合、エリアは福岡市ならその全域が対象なのでしょうか。

猪谷 パーティーラヴァーの場合、福岡では中州、西鉄福岡駅の近辺にあるトレンドスポットにいた形跡がある人をパーティーラヴァーに設定しています。つまり、あるエリアにいる人にリアルタイムでジオ・ターゲティングするのではなく、かつてそこでアプリを開いて、フットプリントを残している人をグルーピングして広告を配信しているのです。また、クラブの場所をピックアップして、その住所にフットプリントがある人も分類しています。北海道は札幌や旭川を対象にしたのですが、やり方は同じです。もちろん、リアルタイムにその場所にいる人に広告配信することも可能ですが、今回は違います。

石田 Antennaは「共感」というのが重要なキーワードなので、できるだけ嫌がられないように広告を出したい。オンラインの行動履歴をもとにするのではなく、ジオ・フェンシングの技術を使ってリアルな世界のアクションをベースにすることで、ユーザーがオンラインに入ってきたときに、それに則した訴求が出せるということが、今回実証できたと考えています。

 実施したのは2週間だけですが、継続的にやれば効果が出ると確信を持つことができました。AdNearは、個人情報を特定するというより、基地局の電波などを使って「おそらく、この人はこういう人だろう」と分析している。エリアを都道府県ごとに指定することができれば、非常に細かいマーケティングデータになるし、どこの県がAntennaと相性がいいとか、その県の方に好かれるためにはどういうメディアを目指せばいいのかを考えるヒントにもある。非常に面白い取り組みだったと思います。

面白い広告はコンテンツになる

― 石田さんがAntennaのグロースハックを統括するうえで、重視していることは何ですか。

石田 広告主としては必ず刈り取り系のメニューをやらなければいけない。でも、興味喚起をして知ってくれる人を増やしてダウンロードしてもらうファネルを大きくしていかないと、いつかアプリをダウンロードしたいと思う人が誰もいなくなってしまう。そういう状況を作ってしまってはプロモーション担当としてはだめだと思ってるので、そこはすごく気をつけていますね。

 もうひとつは「面白い広告はコンテンツになる」ということ。Antennaは、ネイティブ広告(記事体広告)を配信しているのですが、広告だと気づかずに見るユーザーも多い。広告であることを隠してるわけではなく、単純に内容が面白ければ自然に入ってくるからだと考えています。ですから、Antennaが広告主としてバナーを出す場合も、そのユーザーの生活に則した見せ方をしたい。「広告って邪魔なものだよね」という認識自体を変えていきたい。自然に入ってきて、必要なものを教えてくれる。そういう見せ方ができれば、アドテク自体も面白くなってくと思います。

 獲得単価も重要ですが、プランニングも大事。そうした中からコミュニケーションをして、広告を通してユーザーを育てていく。こういうことが非常に重要なポイントになると思っています。

角谷 Antennaでは、アプリをすぐにダウンロードをさせないようにしている。まず理解をしてもらうことを重要視しています。ミーティングを通じてそのことを知り感銘を受けましたし、AdNearならそれを実現できると感じました。気持ちよくAntennaを知ってもらうためにも、「気持ちに寄り添ったアドテク」とは何かを模索していきたいですね。

猪谷 AdNearとしても「気持ちに寄り添う」という部分は非常に重視しています。消費者が反応するのは、気持ちに寄り添うコンテンツであったり、広告主が気づかないような視点で何か面白いものを発見したとき。それは消費者にとってすごく気持ちいいことなんですよね。そこをうまく理解して情報を届けられれば、必ず消費者は受け入れてくれる。我々の本社はシンガポールにありますが、これから日本での経験を積み重ねていく中で、より精緻化したいと考えています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/02/04 17:13 https://markezine.jp/article/detail/21719

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