オウンドメディアのテーマでタニタさんをご紹介することに、違和感がある方もいらっしゃるかもしれません。SNSは活用されていますが、いわゆる「自社制作の特別なサイト」があるわけではない。でも、体脂肪計で一世を風靡したのちの業績低迷からV字回復を果たしつつあるのは、社内に「食」というコンテンツを見い出し、レシピ本や映画などの様々な「メディア」で伝えたからこそ。いわゆる「自社メディア」とは異なるコンテンツのあり方をご紹介します。
社長、カラアゲクンの歌に合わせて踊り始める
──タニタさんは『体脂肪計タニタの社員食堂』に始まり、映画や、丸の内タニタ食堂のオープンなど、様々な手法で自社コンテンツを展開しています。何故そのようなことが出来るのか、今日は伺いにきました。
ありがとうございます。きっかけは2008年の社長交代ですから、もう7年前くらいになりますね。タニタは世界ではじめて「乗るだけで計測できる体脂肪計」を発売しましたが、その成功体験が足かせとなり当時、大企業病に陥っていました。参入した競合社にシェアを奪われ徐々に業績が低迷していたのです。現在の社長である谷田千里が若干36歳で社長に就任し、社内変革に取り組むとともに、新しいことへのチャレンジを始めました。
広報・新事業開拓統括 猪野正浩氏
まず力を入れたのが、SNSなどのWebメディアです。タニタは中小企業で、大手に比べると宣伝費もさほどない。だからWebを使ってファンづくりをしようと考えました。そのとき、「ニコニコ動画」が企業向けのコミュニティチャンネルを立ち上げるということを聞き、ご一緒させてもらうことになったのです。08年、日本企業で初めて「ニコニコ動画」に公式チャンネルを立ち上げました。
── 「ニコ動」は、少しクセがある媒体ですが……。
そうなんです。タニタは「はかる」ことをひたすら研究してきた、とてもマジメな会社でした。だから社内では「いかがなものか」という声もあがりましたが、社長が「どうしてもやりたい」とのことだったので、「マジメさを損なわないように」という前提で始めました。
「ComeSta Channnel」と題して、当時人気の女性声優を起用しつつ、集客を図りながら健康コンテンツなどを配信しました。マジメかどうかの一線を管理するのは難しいですが、弊社の場合、社長自ら率先して発信していったので会社としてのイメージを損なうことはありませんでした。

── 社長自ら…。
はい。ただやりすぎた感も否めません。例えばローソンさんとのタイアップ企画で、キャラクターのあきこちゃんとからあげクンの歌に合わせて踊り始めました……。それを見たとき、「もう好きにして下さい」とお任せすることにしました。
また「ニコ動」だけでなく、ツイッターやFacebook、インスタグラムなども運営しています。ツイッターは商品や健康情報を発信していますが、担当者のセンスが良かったこともあり、フォロワーはあっと言う間に増え、現在は約7万6千人です。
でもテキストでの情報発信は、受け取り方も十人十色ですね。炎上したこともありました。またFacebookは会社や従業員よりの比較的マジメなコンテンツを、インスタグラムは商品よりの情報発信を行っています。
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齋藤 麻紀子(サイトウ マキコ)
フリーランスライター・エディター
74年生まれ、福岡県出身、早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。 コンサルティング会社にて企業再建に従事したのち、独立。ビジネス誌や週刊誌等を通じて、新たなビジネストレンドや働き方を発信すると同時に、企業の情報発信支援等も行う。震災後は東北で起こるイノベーションにも注目、取...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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