前例のないLINE施策への予算投下/費用対効果について
これまで同社は、主にアフィリエイト施策で新規顧客を獲得してきた。いくら投資をして何件獲得できたか、費用対効果が明確だ。一方でLINEの場合は、その効果の見通しが立てにくい。そのような新しい施策への挑戦に対して予算を投下するにあたり、スムーズに事が運んだのだろうか。
「LINEというスマートフォン時代のメディアに可能性を感じており、このメディアを活用しない手はないと思っていました。また金融業界として、はじめてLINEビジネスコネクトの活用に取り組むことは、弊社のブランディングにもつながります。直接的な数字だけでなく、副次的な効果も包括的に鑑みて、施策の意義を評価しています。今回のLINEの取り組みに関しては、2014年の春に企画が立ち上がり、8月のアカウント開設から翌年1月の株式発注サービスのリリースまで、順調に進めることができました」

LINEで確実にメッセージを届けて、株取引のさらなる活性化を図る
今後の展望についてたずねてみた。
「当初実現したかった株式発注サービスまでリリースできたので、今後はターゲットを変えていきます。これまでは若年層新規顧客を獲得するために、株価照会などの新しくて面白いサービスを提供してきましたが、これからは既存のお客様向けのLINEの活用について検討を始めている段階です。
例えば『約定通知』です。『○○株が1,000円になったら買おう』とお客様が注文を出されて実際に約定した場合、取引画面上で表示するかメールでお知らせしていました。ただ、今日ではメールでお知らせをしようにも、ブロックしていたり、読まない方が増えています。到達する(メッセージが読まれる)メディアという観点では、LINEはとても優秀なので、約定通知に活用できれば、より一層お客様の株取引をサポートしていくことができます。さらに様々な情報を提供する手段として、LINEを有効活用していきたいですね。
昔のように証券会社の敷居の高い窓口にいかなくても、今日では生活の中で使っているLINEを入り口に、株取引ができるようになりました。『ちょっとやってみようかな』という気持ちから、資産形成へのきっかけを若年層の方々に提供できれば。今後も新しいサービスをどんどん考えていきますので、SBI証券っておもしろい会社だなと気にかけていただければと思います」
