PMPはブランド/メディアの価値を守れるのか?
淵上:PMPは何といっても出稿先のメディアがわかっているという安心感があるのが魅力ですよね。極端に言うと「ターゲット含有率も高くインプレッション数が多くても、ブランドセーフティーの観点で、このメディアには出稿したくない」というのが広告主の意向だと思います。一方、メディア側はその課題にどのように取り組んでいるかということは非常に興味深いですね。媒体社サイドから向き合ってきた小川さんのご意見をお聞かせください。
小川:メディアから見た時の広告主のブランドセーフティーは2つあると思います。1つは、メディアの扱っているコンテンツが広告主のブランドを毀損するケース。もう1つは、コンテンツは問題ないけれど、広告枠が多すぎて枠の価値が下がっているケースです。メディアがまず取り組むべきは後者への対策です。これまでは純広が少なくなったから広告枠を増やさざるを得ませんでしたが、それが却って広告枠の価値低下を招いてしまいました。メディアの方に対しては、必要以上の広告枠を減らしつつ、当社のPMPを活用することで一つひとつの枠の価値を高める支援をしたいと考えています。
一方、取り組み方が難しいのが、コンテンツについてです。そもそもコンテンツの是非自体、広告主によって判断基準が変わるので、何が良くて何が悪いのかは判断できません。なので個人的には、媒体社側がどういうメディアにしたいかを考えて、そこをアピールしていくことが大切だ思っています。コンセプトに合う広告主にとっては、そのメディアとの相性は間違いなくいいはず。媒体社は、メディアの特性や独自性をもっと市場にアピールすべきですね。
柏村:ブランド広告主になるほど、「広告枠」を考えざるを得ないのは当然の流れですよね。RTBでは、「どのメディアのどの広告枠なのか」ではなく、オーディエンスで出稿先を考えるわけですが、その部分を大事にしながらも、やはり「どこの枠に出稿しているのか」が気になるのは企業としては当たり前の感覚だと思うんです。そこをPMPにより可視化することで、広告主はオーディエンスという「人」の部分と、広告枠という「場所」も戦略的に重視できる。メディア側も、広告主を認知できる。なので、双方にとって良い効果を生み出せるのではないでしょうか。例えばメディア側から見れば、PMPで広告主が見えるようになり、オーディエンスと広告主の双方に有益なコンテンツ制作を考えられるようになる。こうした相乗効果が生まれることを期待しています。
メディアの価値を再認識するPMP/広告枠とオーディエンスの関係
淵上:ありがとうございます。その視点は良いですね。当社も広告枠とオーディエンスの関係はとても重要なポイントだと考えています。そしてここでいう広告枠=どのコンテンツの広告枠かということです。例えばCRMの軸で考えると商品を買った人が頻繁に接触するコンテンツを探したい。商品購入意欲が高くなったコンテンツを探したい。というニーズは確かにありますね。
柏村:そうですね。ブランドセーフティーの観点でも、企業はどのコンテンツの広告枠なのかにも気を配る必要があると考えています。PMPは、オープンなRTB市場では見えなかったオーディエンスや広告主やメディアが可視化されることで広告主とメディアが力を合わせてコンテンツ生成していくためのプラットフォームという捉え方もできると思っています。
淵上:その捉え方はとても共感できますね。トレーディングデスクとしても、オーディエンスとどのコンテンツの広告枠か、さらに効果的なクリエイティブを提案するという運用要素が増えていくということですね。PMPを活用し蓄積された広告主データとメディアデータ、さらに精度を上げるための3rdPartyデータおよび広告配信結果データを分析し、新しい切り口を発見していくスキルも求められることになるでしょうね。
プログラマティック・バイイングで成果を上げる!日々の“運用”の信頼できるパートナー
トレーディングデスク事業の専門企業 エスワンオーインタラクティブへのお問い合わせはこちら