KPIの設定
デジタルマーケティングの世界では、KPIの設定、及びデータでの計測は1つのパッケージになっていますので、その重要性は改めて説明する必要はないでしょう。ここでは、コンテンツマーケティングにおいて継続的な実施を可能にするためのKPIをどのように設定したらよいか、について説明します。
再度、本連載で説明してきたコンテンツマーケティングの定義を振り返ってみましょう。
定義
「コンテンツを活用して中長期的な観点でエンゲージメントを作ること(=カスタマーとの関係づくりをすること)、それによって、ブランドのファンやフォロワーやリピーターを作り、製品やサービスのセールスに貢献すること」
上記の定義は、「エンゲージメントを作る」「ファンやフォロワーやリピーターを作る」「製品やサービスのセールスに貢献する」という3つのパートに分けることができます。
ご想像の通り、それぞれのパートに対して計測できる指標を立てることが、KPIを立てるということにつながります。ワールドカップ施策では、以下のようなKPIを設定しました。
- 「エンゲージメントを作る」=エンゲージメント数
- 「ファンやフォロワーやリピーターを作る」=ソーシャルメディアのファン数
- 「製品やサービスのセールスに貢献する」=製品やサービスの詳細ページへの送客数
ワールドカップ施策においては、Webサイトとソーシャルメディアを併用しており、基本的には、同時に計測できるような指標が必要となりました。そこで、エンゲージメント数は、コンテンツに対して何らかのリアクションがあったことを指標としました。具体的には、WebコンテンツはPV数含むイベント数、そして、ソーシャルメディアは、クリック数含むエンゲージメント数において、両方を合算してエンゲージメント数として計測したのです。
上記は、KPIの1つの例ですが、大事なのは、それをコンテンツごとに時間軸にブレークダウンして、設定することです。1年間で達成したい目標を月ごとや週ごとに分割して設定することで、継続的なチェックや改善が可能になります。
また、さらにコンテンツごとの横比較のために、絶対数だけでなく率も同時にウオッチしながらコントロールしていくとさらによいでしょう。たとえば、Webコンテンツごとの1訪問あたりのイベント数(エンゲージメント数)やコンバージョン数、ソーシャルメディアコンテンツごとの対インプレッションでのエンゲージメント率、といった指標を見ながら、コンテンツごとのエンゲージメントの比較をすることで、アクションの示唆を得ていくのです。
このように、コンテンツごとや時間軸ごとに、絶対数や率で置いた指標が、継続的な実施を心理的に支える灯として重要な意味を持ちます。
