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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

デジタルマーケティングで変わる「おもてなし」

「データを活用して利用者に寄り添った情報の提供を進めたい」メディアカンパニー楽天が目指す姿とは?

理解を促し需要を高めるためのデジタル活用

濱野氏

濱野:認知とアウェアネスは同じように捉えられがちですが、知るだけなのか、理解して需要が高まるかという違いがあります。知るだけならテレビで十分ですがアウェアネスの部分、深い情報や利用シーンの提案はWebのほうが強いですね。

深田:メーカーの担当者と話していると、テレビCMをしないと店舗の棚が取れない。この点に対し、デジタルメディアはどう貢献できるのか。という悩みを聞きます。デジタルメディアができることはあるのでしょうか。

濱野:例えば、レシピサービスのトレンド分析の結果を踏まえて、メーカーに店舗の棚作り提案をする事例が存在します。テレビは知るきっかけに過ぎず、ユーザーの需要がわかる強いタッチポイントはデジタルであり、かつ現場に活かせる例といえます。テレビは消費者のことを知らないけれど、デジタルメディアはユーザのことをデータで知っている。データから購買の理由が分かれば、必要なマーケティングの方法論もわかってきますよね。

深田:見られなくなっているテレビよりも、見られているデジタルメディアで、どういった文脈で作るか、という話ですよね。楽天さんでは、楽天レシピでカテゴリマスを持っていますがそこも狙っているのでしょうか。

濱野:調味料を売るときに、調味料の説明をいくらしても意味がなくて、興味がある人に料理の完成形、使い方を情報として提供するといったことですね。ただ、調味料のブランドサイトはユーザーがわざわざ見に行かないので、タッチポイントになりにくい。ユーザーが集まる楽天レシピのようなメディアに情報を置く必要がありますね。

情報の伝達には漫画コンテンツも有効

深田:メーカーが自社サイトでユーザーに向けた情報を出せていない、という課題もあるように感じます。どうすれば情報は届けられるとお考えですか。

濱野:少しアプローチが異なりますが、人に伝える手段として漫画の力が大きいと思っています。楽天では通勤電車で読める「漫画ニュース」というサービスを2年前から提供しています。これは通勤電車での閲覧というタッチポイントを意識していて、時事ネタとか過去の恐怖の事件簿を漫画にして毎日更新しているんですよ。

深田:書きおろしで毎日更新ですか? それはすごいですね。

濱野:先日は「おにぎりダイエット」がテーマの漫画が公開されていて、なぜおにぎりがいいのか、ひたすた語られていました。それを読んだらもうランチはおにぎりしかないな、という気になってしまいました(笑)。漫画は気軽に読める上に、態度変容を起こしやすいわけです。この実績から、楽天スーパセールの紹介や楽天の部署の紹介にも漫画を取り入れはじめました。

漫画ニュース

深田:個人的に、楽天さんはメディア作りにフォーカスがあるようには思っていなかったのですが、非常にこだわったメディア作りをされていますね。

濱野:そうですね。楽天マーケティングがどうありたいのかを議論する機会があったのですが、目指すべき姿のひとつにメディアカンパニーが挙がりました。ユーザーからは、楽天市場がコンテンツだとは思われないかもしれません。ですが、店舗一つひとつに目を向けると、お店が商品の情報を工夫して掲載している。どの情報をどこにレイアウトするか考えるということは、コンテンツ作りをしているに等しいですよね。ですから楽天は情報の流通となるプラットフォームであり、メディアカンパニーといえるのです。

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この記事の著者

深田 浩嗣(フカダ コウジ)

15年にわたりモバイル領域でのデジタルマーケティングを提供しECを中心に200社以上のWebサイト立ち上げ・改善を実施。2014年、株式会社Sprocketを設立、Web接客手法でコンバージョンを最適化するツール「Sprocket(スプロケット)」を開発・販売する。短期的なCVRの向上にとどまらず、中長期的なLTVの向上を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

深谷 歩(フカヤ アユミ)

株式会社 深谷歩事務所 代表取締役
ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援を行う。Webメディア、雑誌の執筆に加え、講演活動、動画制作も行う。またフェレット用品を扱うオンラインショップ「Ferretoys」も運営。深谷歩事務所公式サイトhttp://officefukaya.com

著書に 『小さなお店のLINE@集客・販促ガイド』(翔泳社)/ 『SNS活用→集客のオキテ』(ソシム)
『小さな会社のFacebookページ制作・運用ガイド』(翔泳社)/ 『小さな会社のFacebookページ集客・販促ガイド』(翔泳社)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/10/09 12:00 https://markezine.jp/article/detail/23131

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