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キャッシュフローも大幅改善! 買取王子に学ぶ、Amazonギフト券のビジネス活用法

 膨大な会員数を誇る、ネット通販大手のAmazon。多彩な商品ジャンルによる買い物のしやすさから、Amazonギフト券が広く浸透しつつある。そうした中、謝礼や景品、ポイント交換対象など、そのギフト券をビジネスに活用する企業も増えてきた。中でもネットリサイクルサービスの買取王子を展開するティーバイティーは、ギフト券を施策に絡めて大きな成果を得たという。その全貌を、ネット事業部 マネージャーの尾関氏に伺った。

顧客に手間のかからないネット買取サービス「買取王子」

 ティーバイティーが「詰めて・送って・即入金!」のキャッチフレーズで運営しているのが、ネット宅配買取サービスの「買取王子」。Amazonが取り扱うような、本・家電・ブランド品など、広いジャンルの商品を何でも買うというスタンスで展開しており、不要になった物を、極めて手軽に売ることができるのが特長だ。

ネット買取サービス「買取王子」

 ネットでの申し込み後に無料で届くダンボールに、売りたい物を何でも詰めて無料で送り返すだけで代金が自動で振込される。他社であれば、家電やブランド品などジャンルごとに送り先住所が違う場合が多いが、買取王子は何でも一緒に送って構わない。宅配便の送り状も記入済みのものを業者が持ってきてくれるので手間いらずだ。

 そして「買取王子」では法人向けのAmazonギフト券を利用し成果を上げているという。Amazonギフト券を法人が利用する際には、発行手数料やシステム利用費がかからず、ギフト券の金額負担のみで発行・配布ができる。またEメールや会員サイトなど、オンライン上で配布できることから、販促やキャンペーンなど、様々な用途で利用する企業が増えている。では、実際にどういった施策を行ったのだろうか。

換金を粘るだけ得をする! ポイント×ギフト券の仕組みとは

 現在「買取王子」が行っているのは、査定金額が出た際に従来ならば銀行振込で受け取るところを、Amazonギフト券に切り替えできるサービス。ギフト券の発行は、同社のシステムに導入したAmazonのAPIにより、顧客が査定金額を承認した瞬間に行われ、メールでギフト券のコード番号が送られる。この仕組みを、2012年頃にAmazonから提案を受け、2013年8月に導入した。ちなみにティーバイティーは、国内で初めてこのAmazonギフト券のオンデマンド発行を始めた企業。また、同社の関連会社では法人向けAmazonギフト券発行代理サービス「デラe」を現在取り扱っており、Amazonのサービスに理解があったため導入にも素早く対応できた(関連記事はこちら)。

 また同社は導入に際し、顧客にAmazonギフト券で交換するメリットを感じさせるためのキャンペーンを始めた。

キャンペーン概要

 まずAmazonギフト券のオンデマンド発行を導入した時期に独自のポイント制度を始めた。これは買取金額をすぐ受け取らずにポイントとして貯めておくことで、最大6ヶ月まで1ヶ月ごとに1%増えていくというもの。一方、Amazonギフト券に交換する場合は、5,001ポイント以上で3%アップ、10,001ポイント以上で4%アップ、30,001ポイント以上で5%アップする仕組みになっている。つまり、併用すれば受け取り金額が最大で11%も上がるのだ。

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Amazonギフト券がコストカットを実現

 顧客へのメリットはわかったところで、ティーバイティー側のメリットはどういったことがあるのだろうか? 「支払手段をAmazonギフト券にすることで、お客様に還元する形です。他社がまだやっていなかったのは魅力的でしたし、何より課題が解決できそうだったので」と尾関氏は語る。その課題とは、査定金額の銀行振込手数料をできるだけ抑えたいというもの。

株式会社ティーバイティー ネット事業部 マネージャー
尾関正樹氏

「1回の査定結果が例えば数十円という少額で、それを複数回に分けて申し込んでこられるお客様が多いんです。すると、毎回100円近くの振込手数料が発生するので、場合によっては買取額よりも支出額が高い状態になります。また振込業務は限られた担当者しか行えず、それを月間数千件こなしているので、人手の面でも大変。そこで先述のキャンペーンを利用していただければ、お客様がポイントをある程度貯めてから交換するようになるので、振込回数を減らすことができます。さらに顧客が個人情報に敏感になっている昨今、そもそも銀行口座を教えたくないという顧客にアプローチできるという利点もあります」(尾関氏)

 またAmazonギフト券は郵便為替という支払方法と代替できるのでは、という狙いも同社にはあった。これは、一部の顧客から絶大な人気があった支払い方法だが、手続きが大変だったため中止していた。

「例えば、家計を奥様に握られている男性には、郵便為替は便利なんです。なぜなら買取金額が銀行口座に入ってしまうと、奥様にバレて自分のお小遣いにならなくなってしまいますから。でもAmazonギフト券なら、メールで届くので郵便為替と同じように奥様にバレないですし、だいたいのものは買えるので現金に限りなく近い価値があります」(尾関氏)。郵便為替を中止にしてから2年後、Amazonギフト券を導入した結果、すぐに郵便為替での支払いの需要に代替できるほどになったとのことだ。

買取ビジネス特有の、資金繰り問題もクリアに

 もう一つ、Amazonギフト券導入の最大ともいえる狙いが、査定金額の支払いサイクルをずらすことだという。

「買取ビジネスは、従来であれば仕入れが常に先に発生するので、最初にお金が出て行ってしまう。ですが、買取金額をいったんポイントとしてお預かりして、数ヶ月後にまとめてお支払いすることで、決済までの猶予期間が長くなり、キャッシュフローが大幅に改善されました」(尾関氏)

 例えば、ポイントを6ヶ月ためるということは、支払いが180日ずれるということ。現状同社の在庫回転日数は90日。もし顧客全員が6ヶ月ためた場合、90日分の回転差資金が生まれ、その半分の50%であっても資金の先出しは不要になる。

「ビジネスを大きくしようとしたときに、資金を銀行で調達するとなると、その分、在庫金額分×数%の金利をとられます。であれば、発生が見込まれる金利分をAmazonギフト券でもらえる差額としてお客様に還元して、支払いを先延ばししたいわけです」(尾関氏)

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Amazonのブランドに上手く乗ることで、広がる可能性

 もちろん、サービス認知にも力を入れてきた。Amazonで購入した商品に同梱されているチラシへ、出稿を繰り返した。また、Amazonギフト券での支払いを選ぶと一番レートが良いということを、サイト上で効果的にアピールするようにしている。具体的には査定金額が出たときに、ポイントを貯めた場合の1ヶ月ごとの金額と、Amazonギフト券を併用したときの金額を、すべて具体的に提示しているのだ。

 そして施策を始めて2年、まず悩みの種だった銀行振込の手数料は、月間12万円ほど削減できるようになった。そしてキャッシュフローは大幅に改善され、現金を1ヶ月弱分くらいはプールできるようになってきたという。

「Amazonギフト券を取り入れていなければ毎月その分だけお金が出ていっていたことを考えると、かなり大きいですね。買取が増えても販促を絞る必要が無くなったので、今年に入ってからは特に積極的に買取活動を進めることができています。正直に申し上げると、最初はAmazonギフト券にそんなに期待はしていなかったんです。お客様の選択率でいうと全体の10%くらいかな?と。でも現在は26%、利用される方の実に4分の1がAmazonギフト券を選ばれています。しかもまだまだ伸びているので、非常に需要が高いことを実感しています。Amazon自体もサービスが日々拡充され、利便性が向上し続けているので、これからもAmazonギフト券の存在感は強さを増していくと思いますし、相乗効果で買取王子の顧客が増えることも期待できます」(尾関氏)

 現在では買い取った商品をAmazonで販売する際にも、Amazonギフト券が活用できないか模索中だという。「例えばまとめ買いしたユーザーにAmazonギフト券を使用したキャンペーンを実施してインセンティブを付与したいです」と尾関氏は語る。また同社では、買取ビジネス以外にもウエディングや2次会幹事代行サービスなど様々な事業を行っている。「今後は他サービスでもAmazonギフト券を利用した施策を展開したいですね」(尾関氏)

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/10/26 16:45 https://markezine.jp/article/detail/23216