クライアント、モニター共に満足度高いAmazonギフト券
マクロミルのリサーチは118万人のモニターから、クライアント企業の目的に合う属性の人をピックアップし、アンケートやグループインタビューに参加してもらうもの。その中で横田氏が在籍するパネル企画グループは、モニターのサポートにはじまり、アンケート回答の品質を保つためのモニター登録情報の管理や、ポイント交換などについて担当している。
同社のモニターになり、アンケートやグループインタビューへ参加すると、マクロミルポイントが付与される。ポイントを貯めると、現金や提携先のポイント、そして家電や食品などの物品など、様々な形で交換が可能だ。交換先の中で一番人気なのは、やはり現金。ただ、現金は銀行振込となるので、手数料が同社の負担になってしまうのが難点である。その手数料問題を軽減してくれるのが、Amazonギフト券だという。
「Amazonギフト券であれば、ポイントと交換する際にコード番号をモニターにメールするだけで済みます。振込手数料はもちろん、導入時のシステム改修の手間もかかりません。」(横田氏)
また元々はポイント交換先として、図書カードやギフトカードなどの金券も用意していたそうだが、「どちらも送料がかかるので、コストを削減するため2年前にやめました。その結果、Amazonギフト券を選ぶモニターの比率が高まり、悪影響もあまりありませんでした」と横田氏。顧客の満足度は維持したままで、効率的なインセンティブの提供を実現することができたといえる。
景品=物は古い? 「何でも買える」が訴求ポイント
新規モニターの獲得キャンペーンにも、Amazonギフト券を活用している。
「指定期間内に新規登録すると、抽選でプレゼントが当たるというキャンペーンを以前から定期的に行っています。これまでは当選者へのプレゼントにゲームやキッチン家電などの物品を用意していたのですが、消費者に響いていないように感じていました。理由を探るために自社でヒアリングしてみたところ、物品は“もらっても嬉しくない”“当たってもいらないから売る”と散々で……」(横田氏)
社内からもギフト券の方が良いという声が出てきたため、この9月にAmazonギフト券に切り替えた。さらに、獲得した新規会員にはできるだけ長く継続してもらい、アクティブ会員に育成する必要がある。そのため新規登録後の翌月、翌々月と継続した場合さらにもう2回、今度はマクロミルポイントが当たるというトリプルキャンペーンも行っている。
同施策を開始してから約1ヶ月。成果が出てくるのはこれからだが、「自分で欲しいものを選べて、特に選べる商品カテゴリの幅が大きいAmazonのギフト券は、新規顧客開拓にも向いていると感じています」と横田氏は語る。
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会員の循環がモニターの質向上につながる
マクロミルのパネルは現在118万人いるが、重要なのは「良質なアンケート回収を見込めるアクティブ会員の確保」だと横田氏は答える。「いたずらに会員数を増やしても、アンケートに参加しない、いわば幽霊会員が多くを占めると、当然ながらアクティブ率が下がってしまいます。ですから弊社では、一定期間ログインのない方には退会していただく方式をとっております。入会と退会の循環を行い、118万人の質を高め続けています」(横田氏)
登録後、毎日コツコツアンケートに答えると、およそ1ヶ月で交換できる500ポイントは貯まるという。「500ポイントというのは、一度に換金できる最小の数です。継続利用をすれば月に1回のペースでインセンティブを得られる仕組みになっています」と横田氏。ポイント数はアンケートの所要時間や難易度など負荷に応じて設定されている。具体的には、PCやスマートフォンで回答可能なオンラインアンケートや、実際に会場に出向くグループインタビュー等がある。
「マクロミルポイントをいくら貯めても、それだけでは何にもならないわけです。そこからどれだけ自分の欲しいものが手に入るかで、交換先を選ぶと思うので、汎用性の高さを訴求できて、すでに利用したことのある人も多いであろうAmazonのブランド価値は高いですね。また、Amazonギフト券が交換先にあるというだけで、安心感をもっていただけるのではないでしょうか」(横田氏)
「自分のためより他人のため」、Amazonギフト券を選ぶ心境とは
しかしポイントを、現金やギフト券ではなく直接物品に交換したいという需要も決して低くはないのではないか。その点を横田氏に訪ねると「マクロミルポイントは、商品交換もできるのですが、利用率は低いですね」とのこと。主婦を中心に米などの食材と交換しているケースもあるという。だが全体を見ると、現物支給より換金のニーズの方が高いようだ。
「ただ、会員の中には生活費の足しにしたい、稼ぎたいという気持ちもありつつ、社会貢献をしたいという意識の方が一定層いらっしゃいます。マクロミルモニタで一番多い属性である20~40代主婦や、ご高齢の方などは特にその傾向が見られます。社会との接点が少ないケースが多いことが背景にあると考えられます。ですから例えば“アンケートに回答することで商品開発の力になれる”と感じ、社会とのつながりを目的にされている方もいらっしゃいます。そういった方は、ポイントも自分のためというよりも他人へのプレゼントにされるケースがあるようです」(横田氏)
誰かのためにポイントを使う場合も、Amazonギフト券は使い勝手が非常にいいと横田氏は語る。「例えば、お子さんやお孫さんのために本を買ってプレゼントする、といった使い方もできます。実際、以前提供していた図書カードではそのような使われ方をしていました。Amazonギフト券は柔軟な活用ができるため、先述した図書カードからのシフトも上手くいったのかもしれませんね」(横田氏)
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Amazonギフト券の特性を生かした今後の展望とは
今後は、Amazonギフト券を使った新規モニター獲得に力を入れていきたいと横田氏は展望を語る。
「Amazonを利用しているからAmazonギフト券なら欲しい、という方はまだまだ沢山いるはず。そういったAmazonユーザーと相性の良い媒体にキャンペーン告知を出稿して、新規モニターを獲得したいと思います。またポイント交換先では、アンケート参加者全員に一定額のAmazonギフト券を山分けプレゼントするキャンペーンなども展開していきたいですね」(横田氏)
また、マクロミルでは現在、スマートフォンでのアンケート回答環境を整えることに重点を置いている。
「10代の方などは、PCよりもスマートフォンという考えではないでしょうか。そこで既存のアプリを改良して、回答はもちろん、ポイントの交換もそこで行えるようにできるといいですね。Amazonギフト券との交換をアプリ内で行えばメールよりもセキュアな環境が実現するかと思います。また反対に、ご高齢の方やAmazonをあまり利用していない層に対してのAmazonギフト券の利用促進も考えています。この層の方々は、インターネットを使うという時点で難しいと考えがちです。ですが、実際には使い方自体はとても簡単です。Amazonギフト券をプレゼントするなどのキャンペーンを展開して、利用方法を広めていくのもひとつの手かと」(横田氏)
同社では他のリサーチ事業も行っている。「クライアント企業が自社顧客に対してアンケートリサーチができる“AIRsMEMBERS”という商品があります。その際アンケートのインセンティブ付与に活用したいという企業の声もあるので、今後は他の事業でもAmazonギフト券を活用したキャンペーンを横展開していければと考えています」(横田氏)
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