RTB取引が一般化、プレーヤーが増加し市場が不透明に
では、現在広がりつつあるPMPとは、どのようなものだろうか?
小澤氏は「プライベートという名の通り、限られたDSPやクライアントに対してのみ行うRTBの仕組み」と解説する。SSPが取り扱うたくさんの広告枠の中で、特に価値の高いプレミアムな広告枠を集め、事前に取り決めたDSPのみから入札を受け付ける。
背景にあるのは、RTB取引が一般化したことによるプレーヤーの増加だ。そもそもオークションでは、入札する参加者が多いほど高値が付く可能性がある。この原則に則って、従来型のRTB取引でもできるだけ多くのDSPが参加することが歓迎されてきた。従来型のRTB取引は、言うならば「オープンオークション」。どの事業者にも開かれた取引が基本だ。
実際、今やDSP事業者は欧米や日本以外にもインドや中国など各国に存在し、インプレッションごとに世界中のDSPから入札がある状況だ。SSPとしては確かに在庫を効率的に販売でき、その価格の最大化も見込めるが、「自分たちが預かる枠にどのDSPから広告が配信されているのか分からない」という課題が挙がっている。特定のDSPと密に取引をして関係性を強めたり、特定の広告主を優先したりすることもできない。
同じくDSPでも、接続するSSPの増加によって取引対象の広告枠の数が膨大になり、それらを精査しきれないことが課題になっている。より詳細な枠の情報を得て、価値ある枠になら高値で出稿したいというニーズがある。
詳細な広告枠情報を開示し、適正価格での入札促す
「オープンオークションではプレーヤーが多いことによるメリットもありますが、一方でマーケット全体が不透明になるというデメリットがあります。そこで、DSP、SSP共に透明性のあるマーケットの中で、安全に取引できる場のニーズが高まり生まれたのが、PMPです」。
PMPを通して広告枠を販売すると、多数の参加者が入札することによる価格の最大化とは違うロジックで、さらなる高値を見込める。前述のSSP、DSPそれぞれの課題を踏まえて、SSPがあらかじめプレミアムな枠を厳選し、DSPへその枠の価値を正しく提示することで、それを判断材料にDSPは低リスクで入札できるからだ。そうなると、これまで以上に強気な入札も可能となる。
小澤氏は「メディアにはぜひ、PMPの活用をお勧めします」と強調する。その理由は、PMPに参加する過程で自社メディアの情報を整理し、広告主に価値を正しく伝えることが必要になるからだという。
「オープンオークションではあまり枠の情報が意識されず買われていくことも多くありました。いくらメディアが頑張ってサイトやユーザー、枠の情報を正しくDSPや広告主に伝えても、その見返りは必ずしも多くはなかったんです。しかしながら、PMPは枠の価値をしっかり伝え、それを理解するDSP・広告主に高く買ってもらう仕組みなので、メディアが枠の情報を整理することが出発点になります。つまりメディアの努力が結果として跳ね返ってきやすいのです」。
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