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“民放の雄”と言われたフジテレビが赤字に転落/産業の突然死が迫るテレビ産業の復活策を提示

ビジネスモデルをゼロベースで再考し、テレビの未来に目を向ける

 テレビ局の人に聞きたい。「生まれ変わったら、同じ仕事をしますか?」

 もし、答えが「No」なら、転職を考えた方がいい。なぜなら、今後10年、テレビ局の前途は多難だからだ。また、テレビ局の役員で改革の意思のない人も速やかに退任すべきだ。未来のテレビをゼロから創っていくという気概のない役員は、もはや要らない。もし、答えが「Yes」なら、テレビの未来に目を向けるべきだ。過去と同じビジネスモデルや制作手法はゼロベースで考え直す時だ。斜陽産業といわれるテレビだが、復活策は必ずある。みんなで、テレビの未来を創ろうじゃないか。

 私はネット広告業界で約20年働いてきた。テレビは素人だ。ただ、テレビで育った世代であり、学生時代は早稲田大学アナウンス研究会というサークルで委員長を務めていた。学園祭では、サークルOBでフジテレビアナウンサーからフリーになった逸見政孝さん(故人)をゲストに呼んで番組を作ったりした。テレビが好きなのは否定できない。

 社会人になってからは、テレビCMに検索キーワードを挿入することを思い付き提案した。日本で最初に採用してくれたのは、トヨタ自動車「イスト」CMで2004年。その後、広告業界では、マス連動という名前で定着した。私がこの手法を思いついたのは、テレビの圧倒的なパワーを信じていたからだ。「テレビを観てヒトは検索する」という信念があった。

このままでは、テレビ産業は突然死する

 その後、テレビとデジタルの連動広告企画を総合代理店と一緒にたくさんやってきた。ただ、最近、顕著に感じるのは、残念ながら、テレビのパワーが落ちてきたということだ。若者のテレビ離れは様々な調査であきらかだ。なので、ここでは触れない。私が指摘したいのは、広告業界の中には「テレビ産業は突然死する」と懸念する声があることだ。そのぐらい現場の危機感は大きい。

 「産業の突然死」は、大前研一氏の言葉のようだ。簡単にいうと、アナログカメラがデジタルカメラにとって代わられた現象だ。ある時を境にして、アナログカメラは急激に姿を消した。富士フイルムは2005年頃から写真フィルム事業を縮小し、医療・化粧品・健康食品などの事業に進出した。そんな例は枚挙に暇がない。ただ、テレビがなくなってしまうとは誰も思っていない。「おそらく、ラジオみたいになる」という意見が多い。私はこのコラムで、テレビ局の復活策のヒントを提示するつもりだ。

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テレビを見なくなった若者をいかに奪還するか

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/11/12 10:00 https://markezine.jp/article/detail/23414

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