大手企業が重要視する「ブランドレスポンス」という概念
広告による成果はもちろん大事だが、大手企業では短期的な成果以上にある考えが重要視されている。「レスポンス(反応)を高めつつ、ブランド価値を維持する」ということだ。それを、アドフレックス・コミュニケーションズではブランディングとレスポンスを組み合わせた言葉、「ブランドレスポンス」と呼んでいる。レスポンスを求める以上、広告のクリエイティブは目を引かなければならない。しかし、反応を求め過ぎると、広告主のブランドを毀損するクリエイティブになってしまう可能性もあるのだ。「ブランドとレスポンスという、相反する要素を加味しながら、どうクリエイティブ開発を行っていくか。ブランドとレスポンスを両立することがブランドレスポンスのテーマ」だと、近藤氏は力説する。
奇をてらった施策で短期的な成果を出しても、それが長期的にブランドを損ねるようでは元も子もない。ただ、ブランドを守るためにチャレンジをしなければビジネスの成長もない。広告主との長期的な関係を続けるなかで、常に試行錯誤している状況だという。思った成果がでないこともあるが、頭に汗をかいて真摯にトライ&エラーを繰り返せば、広告主との関係性も深まり、成功の方程式も見えてくるという。
変わらない基本とクリエイティブの力
近年、デバイスは多様化し、顧客とのコミュニケーションの取り方も激変している。広告主の多くが、顧客の生活のどのシーンで、どのような広告を打ち出していくべきか頭を悩ませていることだろう。しかし、近藤氏は「注視すべきは母数の方ではないか」と疑問を投げかける。現状のアドテクノロジーで顧客の置かれている状況を厳密に特定するのは難しい。それが可能だとしても、そうすることで母数自体を絞ってしまっては本末転倒ではないかということだ。例えば、自動販売機で顔認識し、その人に合わせた広告を出すというのは現状のテクノロジーでもできる。だが、その対象者の数と成果を考えたときに、本当に費用対効果の見合った施策といえるのだろうか。
「技術が進化していったとしても、基本は変わらない」と近藤氏は語る。アドテクノロジーの新規性ばかりに目を奪われるのではなく、本質的に有効なものを事業フェーズに合わせて活用していくことが重要だ。広告を踏んだ瞬間にユーザーの性別を判断し、男女別のLPに飛ばすというシンプルなLPO施策でも、十分な成果は得られるし、それ以上複雑なテクノロジーを必要としないケースがほとんどだという。
クリエイティブについても同様のことがいえ、近藤氏からすると「結局、強いクリエイティブはどこでも強い」ということだ。増え続けるデバイスやタッチポイントに振り回されることなく、綿密なクリエイティブ開発をしっかり続けていくことが肝心だ。そして、必要十分なアドテクノロジーとクリエイティブが合致したとき、ビジネスはさらに加速し、企業を次のステージに導いていくことだろう。
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