「あらゆるシーンで顧客とつながる」方法は既に存在する
「今、顧客とつながる新たな方法が登場している。その方法とは『Marketing Cloud Connect』によって、One to Oneのカスタマージャーニーを構築することだ」。冒頭、米国セールスフォース・ドットコムのブライアン・ウェイド氏はこのように強調した。
新製品「Marketing Cloud Connect」は、2015年9月に米サンフランシスコで行われたセールスフォースのイベント「Dreamforce」にて発表された機能。これにより、「Salesforce Marketing Cloud(以下、Marketing Cloud)」のデジタルマーケティング機能を、同社のSFA「Sales Cloud」をはじめとする6つのクラウド基盤と柔軟に連携することができるようになった。つまり、メールやソーシャル、広告、そしてWebテクノロジーからIoTまでを駆使して、これまで以上に顧客とOne to Oneの関係を築くことができるのだ。
米国にてMarketing Cloudのチーフプロダクトオフィサーを務めるウェイド氏は、Marketing Cloudがこれまで複数の企業買収を通じて戦略的に形づくられてきたことを解説。2014年に同社が提示した企業ビジョン「Customer Success Platform」に触れ、Marketing Cloudはこの一翼を担うものだと位置づける。
顧客との関係構築に重要な5つのステップ
「日本の消費者は特に、ネットへのアクセス率が高く、スマートフォンの普及・習熟度も高い。つまり、“つながっている”顧客がますます増えているといえます」とウェイド氏。このような状況を加速させているカギは、クラウド、ソーシャル、モバイル、データサイエンス、IoTという5つのテーマであり、これらのすべてを味方にマーケティングを展開できるのが、Marketing Cloudだと話す。
Marketing Cloudは主に、「Mail Studio」や「Advertising Studio」といったチャネルごとの施策を簡単に展開できる5つの製品と、「Audience Builder」「Contents Builder」といった4つの機能によって構成される。マーケターはこれらを通して、カスタマージャーニーにおけるあらゆる場面で顧客とつながることができる。ウェイド氏はまた、「顧客との関係構築をカスタマージャーニーの視点で捉えると、ライフサイクルにおける5つの重要なステップが見えてくる」と話す。その5つとは次のものだ。
- 新規を獲得する「アクイジション」
- 購買をかなえる「セールス」
- 自社の顧客としてエントリーする「オンボーディング」
- 絆を深める「エンゲージメント」
- ファンとなり評判を広めてもらう「アドボカシー」
最初のステップは、「アクイジション」。新規顧客の獲得だ。例えば、資生堂の直販EC「ワタシプラス」ではMarketing Cloudの「Advertising Studio」を使って1対1の広告キャンペーンを展開。Facebook広告をはじめとするソーシャル広告と、各種ディスプレイ広告、さらにメールも最適化し、ROIを見極めながら新規顧客の獲得を実現している。
次のステップは、「セールス」。この段階でポイントになるのは、セールス部門をマーケティング部門がいかに支援できるか、という点だ。ある不動産会社では、Marketing Cloudと並行してセールスフォースが扱うマーケティングオートメーションツール「Pardot」を活用し、マーケターの効率的なリード発掘と育成を実現、営業へとつなげる連携の円滑化に成功している。 残りのステップは3つあるが、イベントでは実際に各ステップで新たな取り組みを進める企業が登壇。その事例を紹介した。
次のページからは各社の事例を紹介したい。
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本記事で紹介したレポートは……
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