消費者の考える類似ブランド、競合ブランドを調べる
ブロガーは比較が好きだ。タレントが事件を起こせば、過去の同様の事件と比べたり、新製品が出れば、すぐに別の製品と比べたりする。話題というのは、比較することで膨らむし、ブログの読者に、より価値のある情報を提供できるからかもしれない。何かを比較するとき消費者が頭に描くのは、多くの場合、類似品か競合品と考えられる。したがって、ブログを調査するとき、ある商品とともに語られる商品は消費者にとっての類似ブランド、競合ブランドであることが容易に想像できる。
下記の図は筆者が思いついたシャンプー14銘柄に関して調べた調査結果だ。この調査は、2つの商品ブランドが1つの日記の中でともに語られた頻度を調べている。ちなみにこれは「いち髪」が発売された2006年8月からの1年間のデータである。

さて、いち髪に注目して欲しい。エッセンシャルやアジエンスとはあまり比較されない「いち髪」は、TSUBAKIと一緒に語られることが多い。これはTSUBAKIといち髪が両方ともブランドイメージとして日本の女性の髪の美しさに焦点を当てていたからだと考えられる。
ブログの中を読んでみると、「TSUBAKIがなくなったので今度はいち髪を買った」とか、「TSUBAKIといち髪はコンセプトが似ている」とか「TSUBAKIといち髪の仕上がり具合いの違いを比較した」というものである。このようにブランド同士を比較すれば、どの商品とどの商品が消費者にとって類似品と考えられているのかが見えてくる。ちなみにここ半年、TSUBAKIといち髪はあまり比較されなくなっている。
このような調査で、ある電気製品ではメーカーの考えていた類似ブランドと、消費者の考えている類似ブランドが全く異なることがわかっている。さらに、その関連語を見れば、消費者がその2商品を類似品と考えている背景が値段なのか、CMなのか、機能なのかデザインなのかなどのヒントが得られるだろう。