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リクルート、人工知能研究を本格化 【前編】人工知能の浸透で必要になるマーケターのスキルとは?

AIで全てのマーケティングファネルを最適化する

MZ:AIによってマーケティングがどう変わるのか、関心を持つマーケターも増えています。現状、AIはマーケティング領域でどう活用され、どのような影響を及ぼしているのでしょうか?

石山:まず、AIが世の中に浸透していくには2つの段階があると考えています。データサイエンティストがAIを活用する状態がフェーズ1、誰もがAIを使いこなせるようになるのがフェーズ2。全体的には、今はフェーズ1ですね。先進的な企業ではデータサイエンティストを雇用して、AIによるデータドリブンマーケティングを推進していると思います。

 フェーズ1におけるAIとマーケティングの関わりとしては、2つの観点があると思います。ひとつは、AIによるROI(投資対効果)の改善です。お問い合わせや購買など何らかのアクションをゴールとする一般的なマーケティングのファネルを思い浮かべていただきたいのですが、潜在層の発掘から始まって、このファネルをいかに効率的にゴールまで運ぶかが重要ですよね。この各段階を、AIによって効率化することができます。

MZ:CPAやCTRを改善する、といったことですか?

石山:そうですね。加えて、LTVが上がるためにどう改善すべきか、といったこともAIを使って導くことが可能です。

 端的にいうと、ファネルの転換率を簡単に向上できる。それがいちばんの魅力です。同じ投資額でリターンが2倍になるケースも十分考えられますし、コストを半減させて想定通りのリターンを獲得するという方向性も出てきますね。

いいデータサイエンティストがCVを生む

MZ:なるほど。もうひとつのマーケティング的な観点とは、どのようなことでしょうか?

石山:AIによって大きなコスト構造の変化が起こること、そしてデータサイエンティストという職種が少しずつ一般化していることから、マーケターの役割が変わりつつあります。

 たとえば、データサイエンティストをどう雇用するかも、マーケターの範疇になりつつあります。仮に、広告枠の買い付けに100億円かけているなら、その仕入れを80億円にして、20億円でデータサイエンティストを雇ってコンバージョンを2倍にする。そのほうがずっとROIも良くなりますし、AIの活用はそれを可能にする力を持っています。

 この話はあくまで一例で、事業形態によって異なりますが、ある程度のマーケティングコストをかけている企業なら、若いデータサイエンティストでもAIを活用してすぐに億単位の成果を出すことは珍しくありません。

 先ほどのファネルの話は、割とよくいわれていると思いますが、固定費とされている雇用の部分も含めてROIを考えるという話はあまりなじみがないかもしれません。

MZ:たしかに、初めて聞く話です。でも考えてみれば、データサイエンティストを雇用してAIを活用することで、それだけのリターンやコスト削減が見込めるなら、データサイエンティストの雇用自体がマーケティング施策であるともいえますね。

石山:まさにそこまで含めて、マーケターの守備範囲になりつつあります。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/02/08 10:00 https://markezine.jp/article/detail/23793

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