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【出張版】fluct magazine

乱立するDSP、いったい違いは何なのか?現場で日々、広告運用と向き合うプロがぶっちゃけトーク


なぜ、計測のズレが起こるのか?

 ── 先ほどnex8のところでおっしゃっていた、計測のズレについて、もう少し解説をお願いできますか?

 多くのDSPの場合、DSPのコンバージョン計測とアドエビスのような効果測定ツールのコンバージョン計測が大きくズレます。

 驚かれるかもしれませんが、効果測定ツールで計測した合計獲得数が、利用したすべてのDSPの獲得数の足し上げの6割にしかならないのは普通のことなのです。

 これは複数のDSP事業者のリターゲティングタグを踏んで、最後にコンバージョンした場合、それぞれのDSPは自分たちのコンバージョンと計測する一方で、実際は1コンバージョンしか発生していないため起こる問題です。弊社では、1つ1つのDSPの数字は参考としてしか見ておらず、すべて効果測定ツールの数字でパフォーマンスを確認しています。そしてこのような問題があるため、弊社では前述のように事業者指定のご依頼をお断りしているんです。

 ── 結局は、YDNとGDNとFacebookだけでいいのではないか? とも思うのですが、いろいろなDSPを使う意味合いというのはどこにあるのでしょうか?

 確かに一定規模までなら、多くのDSPに手を出すより、まずはGDNとYDNの機能をきちんと把握して、適切に使うだけで、ある程度の効果は出せると思います。しかしながら、より大規模なキャンペーンを行いたい場合は、GDNやYDNにはない機能、もしくはもっとやりたいことが得意なDSPを使いたくなることが多いのです。

陥りやすい“個別最適の罠” 最後は人の問題

 ── 良い代理店はどうやって選べばいいのでしょうか? クライアントさんが気をつけるべきポイントなどありますか?

 良い代理店、悪い代理店というのはあまりないと思います。あるのは、よい担当者なのか、イマイチな担当者なのかだと思うんです。

 結局はクライアントさんのフロントの方次第だと思います。日本を代表するような大きな代理店さんを利用しても、担当が新卒だったらもちろんノウハウはないでしょう。しかしながら、ノウハウはなくても新卒は新卒なりの良さがあるかもしれません。一方で、誰も聞いたことないような数人の代理店でも、実は大手代理店で力をつけた方が独立した会社で、ものすごい実力かもしれません。結局は人の良し悪しだと思います。

 気をつけるべきポイントですが、いろいろなクライアントさんとお話をする中で、フロントの営業が1人いて、各DSPごとに専門の運用担当者がいる体制で運用をしている代理店さんがいらっしゃると、時々お聞きします。

 専門性があって、一見良さそうに見えるのですが、個別最適されていないか心配になります。代理店はいただいた予算の効果を最大化することがミッションであって、各DSPごとの効果を最大化する、個別最適の意味はありません。

 クライアントさんの視点に立つと、大切なことは、どのDSPでいくら使ったのか? ではなく、そのキャンペーン全体でいくら使い、その効果はどうだったのか? なはずです。しかし、正直申し上げると、たとえばDSPや代理店から達成インセンティブがある場合、「会社として今月は◯◯さんの商材をいくら売る」と事前に事業者の取引高目標を決めてしまっているところもあるようです。

 キャンペーン全体で、どの事業者にどのぐらい予算を使うのかは日々変わるはずです。繰り返し申し上げますが、最も大切なポイントは、代理店はいただいた予算の効果を最大化することがミッションであって、各DSPごとに個別最適をする意味はないということです。あるDSPが効果が悪ければ、すぐに残予算を別のところ移す。キャンペーン全体の効果を最大化するためのPDCAを回していくべきです。

 ── 最後に良い広告運用者とはどういう人ですか?

 「疑問を持てるか持てないか」がすごく大切だと思います。良い悪いではなく、なぜ良かったのか、なぜ悪かったのか、なぜインプレッションが伸びたのか、なぜCTRが上がったのか、どういう仮説が考えられて、どうすればそれを確信に変えられるのか。1つ1つ目の前で起きたことに対して、疑問が持てる人が良い広告運用者だと思います。

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fluct magazine編集部(フラクトマガジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 19:58 https://markezine.jp/article/detail/23824

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