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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

UI/UX改善“実践”レポート

社内ワークショップってやる意味あるの? 答えはYES! 製品コンセプトができるまでの軌跡を紹介します

どこが変わるとより良くなる? サービスインパクトの整理

 ワークショップ第2回目は「サービスインパクトの整理」です。サービスインパクトの整理とは、変更すればサービスが大きく改善するポイントを洗い出す作業です。参加メンバーに「何がどう変わればrakumoはもっと良くなるか?」と問いかけ、1回目で挙げた課題と、解決策を踏まえて考えてもらいました。

 具体的なものから抽象的なもの、粒度や視点の異なるさまざまな意見が出されましたが、投票して浮かび上がってきたのは、私たちがrakumoに望む変化のキーワードでした。それは次のものです。

 「煩わしい」を「心地いい」へ

 「複雑」を「楽」へ

 「楽しくない」を「楽しい」へ

 「遅い」を「速い」へ

リベンジなるか? 「コンセプト」策定

 サービスインパクトを見出したら、いよいよ私たちの大きな課題の一つであるコンセプト策定に入ります。

 連載初回にも書きましたが、私たちは過去、コンセプト策定に何度もトライしながら、うまく作れなかった経緯があります。今回はファシリテーターの助けがあるとはいえ同じ轍を踏むわけにはいかないので、事前にある程度のイメージを固めてきてもらえるよう、メンバーに宿題を出しました

 宿題メールの文面は次のようなものです。

 いきなりコンセプトを考えろ! と言ってもなかなか出てこないと思いますので、キーワードの導出から考えていくほうが取り組みやすいかと思います。

  • rakumoはどうありたいか?(ブランドアイデンティティ = ビジネス視点)
  • rakumoはどう思われたいか?(ブランドイメージ = ユーザー視点)
    に留意して考えてきてください。それでも考えにくければ、次の3点で考えてください
  1. 何に重きを置いてrakumoを提供すべきか?(安さ? 新しさ? 速さなど)
  2. rakumoを利用する人は、どうあってほしいか?(節約派? クール? やさしいなど)
  3. rakumoを利用することで、私たちは何を実現したいか?(平和? 驚き? 自由など)

 コンセプトというと、端的なワンラインで表現されたワードというイメージがあってか、集まった意見はキャッチコピーのようなものが多かったです。また、ワンラインではなく、キーワードだけ、というのもけっこうありました。

 キーワードだけの意見は言いっ放しでもありますが、説明が端折られているがゆえの解釈の余地もあり、それを見て新しいアイデアを思いつくこともあります。こうした昇華のプロセスが生まれやすいことも、付箋を貼っていくスタイルの良さだと思いました。

 さて、投票の結果は……? 票を集めたのは以下のワードでした

 「仕事環境の快適化」

 「コミュニケーションを助ける」

 「余計なシゴトを減らす」

 「毎日が楽しくなる」

 「複雑なことを単純に見せる」

 「ストレスフリーに仕事をしよう」

 いずれも、各自が思う理想の製品イメージが込められており、こう作りたい、こう売りたいがきちんと表現されているように思います。

 このコンセプト案と、サービスインパクトをファシリテーターの坂本さんが取りまとめ、こんなコンセプトが 提示されました。

悲願のコンセプトが、ついに!
悲願のコンセプトが、ついに!

 私たちの提供したい価値が端的に表現された、ステキなコンセプトができました! 悲願達成です。

 ただし、作っただけでは絵に描いた餅です。社内にしっかり浸透しなければいけません。各部会やミーティングで上記コンセプトを意識的に口にしたり、「わずらわしい一手間」と「楽しい一瞬」を探すワークショップを開催してみたりするなど、少しずつ着実に根付かせる手立てを実施しようと思っています。

 次回は、ペルソナの作成とカスタマージャーニーマップの作成についてお話したいと思います。どうぞよろしくお願いします。

はみ出しコラム:ワークショップのために準備したもの

 ワークショップを開催すると簡単にいいましたが、ただ集まっただけでは円滑な実施はできません。見落としがしですが、備品も重要なんです。そこで、私たちがワークショップのために用意したものを共有します!

  • 付箋(たくさん):1回のワークショップでだいたい400枚ほど使いました
  • ペン(13本):参加者12人分+予備を用意しました
  • ホワイトボード(5枚):付箋を貼り付けるスチレンボード。ちなみに、900x1800mmを5枚買いました
  • 会議室:付箋をホワイトボードに貼る際、みんなでボードのまわりをうろうろするので、なるべく広めの会議室が良いと思います
  • BGM:付箋を書いている間はみんな黙りがち。空気を重くしないよう、BGMを流しました。
  • おかし:“和やかし”アイテム。手を汚さずに食べられる、包装されたチョコやサラダせんべいを持参しました。

 ホワイトボードは、ワークショップでよく使われる大きい模造紙に比べ、取り扱いがしやすく、立てておくだけでいつでも回覧できるので便利でした。

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この記事の著者

田中 倫太郎(タナカ リンタロウ)

rakumo株式会社 チーフデザイナー
UIデザインとアートディレクションを担当。記者、ライター、eラーニングコンテンツの開発、ニュースメディアのアートディレクターを経て、2008年より現職。因果性や仕組みに興味があります。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/15 10:00 https://markezine.jp/article/detail/24011

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