ワークショップの流れをご紹介します!
こんにちは、rakumo株式会社の田中です。前回は、弊社の製品「rakumoカレンダー」のリニューアルに向けて、UXの観点から見直しを始めた経緯をご説明しました。今回からは、UXワークショップの内容について具体的にご紹介したいと思います。
ワークショップは全8回で行います。今回ご紹介するのは、このうち第2回までの内容です。ユーザーの欲求の深掘りからはじまり、コンセプトやジャーニーマップ作りを経て、プロトタイプ案を出していきます(プロトタイプは現在進行中!)
ワークショップ各回は2時間で、2~3つのお題に取り組みます。ひとつのお題は、以下の流れで進みました。
- お題を展開する:ファシリテーターが参加者にお題を説明
- 回答を書く:参加者は付箋にお題への回答、意見を書く
- 貼り付ける:書いた付箋をホワイトボードに貼り付ける(2,3を繰り返し)
- 確認する:20分経ったら書くのを止め、貼り付けられた付箋をみんなで見て回る
- カテゴライズする:似通った付箋同士を近くに貼り直してまとめていく
- 投票する:全ての付箋を見て回り、良い意見に対して投票する
- 並び替える:得票の高い順に並び替える
このサイクルでだいたい40~50分くらい経過します。
なお、このワークショップ開催前に、ファシリテーターの坂本さん(ネットイヤーグループのUXデザイナー)より紹介いただいた、IDEOのブレインストーミングのルールが面白かったので共有します。ブレインストーミングが有用なものになるか否かはルールも重要。その点、こちらはルールそのものがノビノビしていて面白いですよ。
IDEOのブレインストーミングのルール
- トピックに忠実であれ
- ぶっとんでよし 拡散して良い
- すぐに判断、否定するなかれ
- 会話は一人ずつ
- 質より量を
- 描け、視覚的であれ
- 他者のアイデアを広げよ
("世界最高の授業。IDEOに学ぶ「デザイン思考」の真髄──2014.3.7 Night School”から引用しました)
洗い出された課題は、200以上(会議ではあまり出ないのに……)
第1回のワークショップでは、現状認識と課題の洗い出しを行いました。ワークショップでは「rakumoの抱える課題」について、各職種の目線から付箋に書き出していきます。
ファシリテーターの坂本さんより「質よりも量です、アウトプットしましょう!」の声が飛び、20分ほど書いては貼り、書いては貼りの個人ワークを繰り返します。個人ワークが終わると、200件以上の意見が貼りだされていて驚きました。通常の会議体で「製品の課題について時計回りで発表!」などと問いかけても、とてもこれだけの意見は集まらないでしょう。
製品の機能に関する意見が多く出された一方、これまで言及されることが少なかった、サポートやマーケティング、営業面の意見やアイデアも多く提示された点が印象的です。
意見を出し尽くしたあとは、みんなでホワイトボードを回覧しカテゴライズ。一人各カテゴリ3票ずつ「良い/共感できる」意見に対して投票を行い、共通点のある意見をまとめるように並び替えます。
並び替えが終わったら、「それを改善するにはどうしたらよいか」について、先ほどと同じように個人ワークで考えます。この改善策を「みんなで考える」のは、少し新鮮でした。営業課題に対して開発の人間やサポートが向き合うことは通常ありませんし、あってもそれを発表する場がありません。製品の課題にしても同様です。「共通認識の不足」は私たちの抱える問題の一つでしたので、このやり方を学べた意義はとても大きかったと思います。
もうひとつ意義深かったのは、参加メンバーの挙げた課題が、わりと似通っていると気づけたことです。問題意識を共有できただけでなく、同じ問題意識を持っていたと認識できたことも成果の一つでした。