通常時の約4倍の訪問者数、過去最大の成果の裏側

――KPI、目標の設定はどのような形でしょうか。
鈴木氏:今回のキャンペーンでは、直接的なコンバージョンは狙っていません。というのも、学生さんたちはTwitterをスマホから見ていることが多いのですが、アドビの製品ページのコンバージョンの多くはPCからだからです。扱っている製品がPC用だからでしょう。先にお話ししたとおり、まずはセールをしていること、今が購買のチャンスだということを知っていただくことが肝心ですので、リーチとセールの認知拡大を目標にしました。具体的にはTwitter上でのリーチ数や、サイトへの訪問者数などで成果を計測しています。
――1本目の配信から17時間で10,000リツートを超えたということで、大きな反響を呼んでいますが、話題性だけではなく認知拡大という意味でも成功と言っていいのでしょうか。
鈴木氏:大成功ですね! そもそも企業のプロモーションでこれだけリツイートされることはかなり珍しいでしょう。セールの告知は他媒体でも行っているので、最終的には複合的に分析する必要はありますが、公開後1週間のサイトの訪問者数だけで見ても通常時の約4倍と、セールの告知としてはすでに過去最大の成果が得られています。純広告でも予算をかければ誘導数を稼ぐことはできます。しかし、この数を集めるだけの予算を割くことはなかなかできません。「おそ松さん」の人気ぶりはわかっていたつもりですが、まさかここまでといった印象です。
キャラの声を通してはじめて「アドビ」の発音を知った

――これだけ拡散するといろいろな反応があると思うのですが、何か興味深いものはありましたか。
鈴木氏:面白いと思ったのが、キャラクターの喋っている声を聞いてはじめて「アドビ」や製品名のイントネーションを知ったというコメントですね。アドビ製品を紹介する動画は以前からいろいろな形で存在しているのですが、そういったものにまったく触れてこなかった方々に確実に伝わっているというのがわかりました。
――そこに注目するのか! という感じでもありますね。やはり、声優さんの力も大きいのでしょうか。
鈴木氏:そうですね。演じる声優陣の人気も「おそ松さん」ブームの一つの大きな要因になっているのは間違いないでしょう。そこに着目し、オリジナル音声を新規に撮り下ろしたのは非常に大きな成功要因となりました。とても多忙な人気声優6名に依頼するのは大変な部分もありましたが、アニメの収録のタイミングにあわせてまとめて収録させていただくことができました。