ジョージ・クルーニーは「リアル」を重視
最後のゲストとして、俳優でありプロデューサーのジョージ・クルーニー氏が登場。聞き手はAdobeのエグゼクティブ バイス プレジデント 兼 CMOのアン・ルネス氏。ルネス氏は「来場者の多くはマーケティングやSNSが大好きな人たち。しかし、あなたは『有名人がツイッターをやるなんて馬鹿げている』と言ったそうですが」と切り出した。クルーニー氏はそれに対し「有名だということはマイナス面しかない。自分もトラブルの種になってしまう。家で飲んで愚痴っぽいツイートをしたとする。朝起きたら否定的な反応で埋め尽くされていることになるだろう」と応じた。また、若い女優の中ではTwitterのフォロワー数を競う人もいるが、そういうことはスタジオに入れば関係ないとも話した。

アドビ システムズ社 エグゼクティブ バイス プレジデント 兼 CMOのアン・ルネス氏(右)
さらに、クルーニー氏は皆がスマートフォンを肌身離さずいる状況について、「ファンと握手するときですら、彼らは片手にはスマートフォンを握りしめ写真を撮ることに夢中になっている。もっときちんと人と向き合うべき」だと苦言を呈し、やはりリアルでの体験の重要視しているようだ。
ストーリーテリングは新しい場所、新しい方法でできる
映画のマルチデバイス視聴が進んでいることについて尋ねられると、クルーニー氏は「映画業界全体にとっていいことだ」とし、配信経路が増えることは俳優にとってもビジネスチャンスを広げることになると述べた。

一方、映像の制作面のハードルも下がり、映画制作の民主化が進んでいることについても「子どもたちがiPhoneで作った作品などはとてもユニークだ。世界中で今までなかったような映画が作られている」と好意的に語り、「ストーリーテリングは新しい場所、新しい方法でできる」と、あくまで映画という文脈の中ではあるが、ストーリーにより人を惹きつける手法について可能性の広がりに期待を膨らませた。