あまり語られていない必須要素/これからのビッグデータ活用に必要なスキルセット
データサイエンティスト協会では、データサイエンティストに求められるスキルを3領域に区分している。データサイエンティストのスキルセットとして定義されたものではあるが、広くデータ活用を進める際に必要となるスキルセットと捉えてもいいだろう。

「データ活用」という文脈において、データと解析手法の正しい理解と実行(データサイエンス力)、その実現(エンジニアリング力)は前提であるし、おそらくイメージされやすいと思う。一方、データを何に活用するのか、新たにどんな価値を生むのかといった企画力のようなものは、上記の区分では「ビジネス力」ということになるだろうが、この能力は意外とデータ活用において意識されていないように思う。しかし、この「ビジネス力」がとても重要であり、必須要素だ。
本稿で説明したディープラーニングについても同様だ。ディープラーニングを正しく理解した上で、何に・どう活用すれば新たな価値が生まれるのか。それを企画・提案する力が重要だ。「最近はディープラーニングという技術がすごいらしい……だからやってみよう」というのは早計で、これを使いさえすれば新しい商品やサービスが生まれるわけではない。
その企画検討のためにも、第2回でも示唆したようにまずは自社の保有データを棚卸してみることをお勧めしたい。もしも活用していない画像や音声、テキストなどが蓄積されているようなら、各種事例を参照しながら、データの活用方法を検討してみてはどうだろうか。まだ世の中にない、新しい商品やサービスが生まれるかもしれない。
(プロダクト開発本部 データ解析部 さつま ※DACビッグデータ解析部は、4月1日よりデータ解析部に名称を変更しました)
