CRMに必要な要素が変わってきた
これだけ、チャネルによって特徴が違えば、CRMに必要なものも変わってきます。これまでのメール中心のCRMでは、「誰に、いつ、どのような」ということを考える必要がありました。例えば、Aという商品を購入したユーザーに対し、1か月後には商品Bのクーポンを配布するというように、3つの要素を踏まえた「シナリオ」を考えていた方も多いのではないでしょうか。
もちろん、これはプッシュ通知やLINEの企業向けAPI「LINEビジネスコネクト」に置き換え実施することもできますし、実際に効果が出た事例もあります。
ただし、多くのユーザーはチャネルに対する意識がほとんどありません。ニュースやゲーム、占いなどのコンテンツ目的でアプリを開く、タイムラインを眺めることにユーザーは時間を費やしています。
CRMの本質は、その言葉にもあるようにリレーションシップです。シナリオを作成して配信するツールの総称ではありません。モバイル時代のリレーションシップをユーザー起点で考えると、「どんなユーザーか」「ユーザーの取る行動」「そのタイミング」「何をするか」をきちんと設計することが重要になってくるのではないでしょうか。
モバイルは顧客と一心同体
ここまでをまとめると、モバイルがある生活が当たり前となった今、モバイルは常に顧客と共にあるということが重要です。顧客が常に何かをしながら情報を得られる状態にある以上、ユーザーの属性や行動、タイミングに対応した施策を考えマーケティング活動をしていくことが必須になると思います。
そして「メール、アプリ、LINEどれが一番いいの?」と比較せず、顧客がメールを開く状態とLINEを見る状態の違いを理解し適切なコミュニケーションを取ることが有効なのです。
次回から各チャネルに接している顧客の状態を考えるとともに、どのようにコミュニケーションしていくべきか、事例をもとに考えていきたいと思います。