7月のバージョンアップでさらに柔軟な分析が可能に
MZ:なるほど。こうした使い方は、足立さんから見ていかがですか?
足立:「さすが棚橋さん」と思いました(笑)。そもそもアドエビスに限らず、ひとつのツールで経営指標に紐づくすべてのKPIを取得・可視化できるわけではないので、Web上だけでは効果が紐付けられないアンケート結果を、瞬時に施策と紐づける機能は非常に求められていると感じました。
今回の事例では、他業種にも活かせる重要な分析をお手伝いできたと思います。今回の要望を反映して、弊社独自技術であるユーザー軸のデータ基盤に対して、不動産の実契約有無や、ECでのLTV等の「企業独自のKPI」をアップロードすることで、瞬時に効果を可視化・分析できる機能を、7月末に予定している大幅バージョンアップにも盛り込んでいます。
MZ:クライアントごとの課題に応えながら、そこで得た新たな要望を製品のバージョンアップにつなげているんですね。特にカスタマージャーニー分析に対する要望は多いのではないですか?
足立:そうなんです。これまでは不特定多数の人に対する分析に留まっていたので、「この広告に接触した人」など企業ごとにピンポイントで分析したいグループを抽出して、詳しく分析できるようにします。
例えば、過去にオウンドメディアに訪れたことがあるユーザーだけで、AコンテンツとBコンテンツに接触したユーザーは何人いて、その後の平均PVやCVRにどんな影響を与えているか? などが瞬時に分析できます。
MZ:ほかに、今後のバージョンアップで予定されていることはありますか?
足立:7月末には、デモグラフィック情報のアップロードユーザーリストの生成と検索性・分析利便性の向上や、分析結果に出てくる指標の充実を予定しています。さらに秋には、テレビCMの効果をアドエビスのユーザーIDに紐づけて分析できるよう準備中です。
カスタマージャーニーをより良質な体験へ
足立:棚橋さんに私から質問なのですが、ユーザーの生の声を知るアンケート調査も、結果を活かし切るには、提供する情報とそれによる態度変容の仮説をあらかじめ立てておく必要があると思います。どのように仮説を立てられているのですか?
棚橋:その点は、「どのフェーズの人に」「次にどうなってもらいたいか」を常に考えています。たとえば、当社のサービスをそもそも知らない人なら、知ってもらうことが次のステップであり、その場合のKPIは認知度になると思います。その次は理解してもらいたいので、それを測るKPIを設計し、施策を検討するという形です。
MZ:棚橋さんはマーケターとして数値を追いながら、ユーザーの心を捉えるメッセージやコンテンツづくりにも非常に力を入れられているんですね。
棚橋:たしかに、いかに情報発信していくかという点は、今後のマーケターには必須の視点かもしれないですね。記事コンテンツも広告も、良質な情報かどうかが問われていると思います。
最近、アドブロックの話題も聞かれますが、何かしら心が動くものが含まれていれば、単なるバナー広告でもコンテンツとして成り立つはずです。事業全体を見据えながら、カスタマージャーニーにおける一つひとつのタッチポイントを統合して、全体として良質な体験に整えていくことが、今の大きな課題だと思っています。
カスタマージャーニー分析 特別セミナー開催決定
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