必要なのはマーケティングコンバージェンスへの対応
では、電通デジタルでは、マーケティングをどのようにして進化させていくのだろうか。そのカギとして丸岡氏は、電通が2013年に発表した中期計画にある「マーケティングコンバージェンス」を挙げた。これは、さまざまなメディア環境や消費者の行動様式の変化、テクノロジーの進化などマーケティングをとりまく変化全体のことを指した言葉だ。これまでは施策ごとに最適化することで効果を感じることができた。しかし、マーケティングコンバージェンスの進化する環境下では、その感覚は薄れてきており、現在は統合的に施策を行う必要が出てきた。そのため、施策、データの連携の重要性が問われるようになったのだ。

電通デジタルでは、これまでのマスマーケティングはもちろん、デジタルマーケティングの全体像を最適化する人材もそろっているため、様々なレイヤー、目的に合わせて提案できるため、マーケティングコンバージェンスにも対応できるという。
ハイブリッドな人材を強みにデジタル化を推進
では電通デジタルは具体的に何ができるのだろうか。それに対し丸岡氏は「幅広いサービスライン」「電通グループの培ってきたノウハウ」「チームアプローチとチーフコンサルタント」「ハイブリッドな人材」をキーワードに説明した。
まず、「幅広いサービスライン」に関しては、コンサルティング、開発・実装、運用・実行支援という3つを軸に多くのサービスを用意し、その中から顧客に合わせて提案を行っていく。もちろん、どれか1つであっても対応していく姿勢だ。
「電通グループの培ってきたノウハウ」はデジタル領域、またマス広告やプロモーションなど多岐に渡るノウハウをもとに全体最適を実現するという。
「チームアプローチとチーフコンサルタント」もポイント。顧客と一体組織を形成して、電通デジタル社員の駐在、出向も行う。そして、責任者にチーフコンサルタントを立てることで、マーケティングのデジタル化全体をプロデュースする。
そして、丸岡氏は「何より、ハイブリッドな人材がいることが1番の強みです」と語る。マーケティングは、デジタルのみならず、マスおよびリアルイベントのプランニングなどに関するスキル、知見が必要になってくるため、複数の経験を持った人材が必要だ。電通はグループ全体で複数領域の専門領域を持った人材育成に取り組んできたこともあり、それを可能にしているという。
プレゼンテーションの最後に丸岡氏は、「マーケティングにおける、新幹線レベルの進化を起こしたいと思っています。その実現には、新幹線が部品や機体、線路を作る会社と協力して実現するように、多くのパートナー企業の協力と、広告主の皆様の力が必要です。一緒にマーケティングに変革を起こしましょう」と締めくくった。