総合広告会社でありながら、施策の施行までフォロー
MZ:ここまでお二方のキャリアについてお伺いしてきました。今度は、博報堂DYデジタルという企業として強みを教えて下さい。
小杉:まず、総合広告会社のデジタル領域を担っている点が大きな強みになると思っています。デジタルのみを専門に扱う企業では、極端にいえばWebサイトを使って何かを行うところまでしか発想が広がっていきません。
しかし、テレビや雑誌、新聞などもデジタル化が現在進んでおり、データも集まっています。広告コミュニケーションは、それらも踏まえた統合的なものであるべきです。
個々の商品・サービスにとって、本当に良いコミュニケーションとは何かを考えて、例えばCMとSNSを掛け合わせたり、あえて新聞だけで行ったり柔軟な発想ができるのは総合広告会社の強みだと思います。
MZ:確かにそうですね。先ほどお話しいただいた事例も、企画の中でデジタルが必要なだけであって、Webありきの企画というわけではないですもんね。
布山:また、他社であればコンサルティングに主軸を置く企業が多い中で、当社は施策の実行まで携わるという強みがあります。企画プラニングから制作プロデュース、メディアの運用にいたるまで、デジタル全領域のスペシャリストが沢山集まっているので、コンサルティングから施策実行までワンストップで支援できます。さらにデータ分析・活用のスペシャリストもいるので、実施して終わりではなく、結果はどうだったのか、次にどう活かすかを考えるところまでPDCAが回せるところがポイントです。
今後求められる人材像とは
MZ:先日の辻社長への取材(詳しくはこちら)で、貴社はデータ・メディア・クリエイティブの3軸で展開していくと伺いました。お話の中で、お二人はクリエイティブを軸にしていると感じたのですが、データとメディアに関する部門の方との連携はいかがでしょうか。
布山:もちろん、頻繁に連携しています。特に私はプロデューサーなので、クライアントのデジタル担当や博報堂の営業など、社外の様々な方ともやりとりをしています。ご要望も単なるWebキャンペーンをしたいというものから、データを駆使して売上を上げたいというケースまで様々です。
そのような多岐にわたる案件を、全てプロデュースするわけですが、どうしても私一人ですべての知識を深くインプットしておくのは不可能ですし、専門性も損なわれてしまう可能性もあります。そのため、データやメディアのスペシャリストとの密な連携は必須だと思っています。常に連携を意識することで、自分にも各分野の最先端の知識を取り入れることができ、得意先に対しフロントで話すことができるのかなと。社内では全員同じフロアにいるので、連携しやすい体制にもなっています。
MZ:ありがとうございます。では最後に、今後の展望や野望を教えてください。
布山:デジタル領域のマーケターのほとんどは、何かしら1つの領域のスペシャリストであることが多いのですが、プロデューサーというポジションの人材においては「多様性」みたいなものが今後求められる気がしています。デジタル領域だけではなく、SP制作や動画制作など、多様な能力を持つ人材はとても重宝されるはずなのですが、現在はまだ少ない状況です。多くの人と協業し、各分野のスペシャリストと仕事ができるこの環境でさらに多くのことを学び、インタラクティブプロデューサーとして多様性をもった人材になれるよう日々精進したいと思います。
小杉:昨今データ活用が進むにつれて、広告コミュニケーションが手法やシステムに振り回されがちになっていると思います。
ただ、伝える先は人間で、感動したり心を動かされたりする本質は、昔から変わらないと思っています。だからこそ、手法ばかりではなく、どうすれば感情が動くのかをテクノロジーに惑わされず突き詰めることが重要です。その上で、テクノロジーやデータ、メディアを最大限活用した企画を立てていきたいです。
現在、博報堂DYデジタルでは、積極的に人材の採用を行っています。詳細はこちら