推計でも高精度にターゲティング
また、単純に膨大なリーチに広告配信を行うわけではなく、ターゲティング機能も充実させている。現状は性別、年齢、都道府県別の位置情報、興味関心のカテゴリー、OS別などが用意されている。中でも出稿クライアントから人気の高いのは、年齢と性別とのこと。
もちろん、ターゲティングとはいっても、LINEはサービスのポリシーとして属性情報やトーク内容を活用しているわけではない。友だちになっている公式アカウント、またLINE関連サービスの利用状況から推計したものだ。ただ、LINEがリリースしてから5年の間、これまで蓄積してきた情報に基づくもので精度は高く、今後も徐々に向上していくと田端氏は自信を見せる。
「推計のターゲティングであるにも関わらず、精度が高いとクライアントから高い評価を頂け、実際にノンターゲティングよりも高い単価での入札がはいっています。特に、20代の男性向け、30代の女性向けといった性別と年齢をクロスでターゲティングする企業がとても多いですね」(田端氏)
同社では、ターゲティングの精度を上げるための取り組みもさまざまな形で検討しているという。たとえば、店舗や施設などの小~中規模事業者向けに提供している「LINE@」のアカウント情報はヒントになると田端氏は見る。
「同じ地域にある美容室、飲食店、ネイルサロンのどこか一つと友達になっているのなら、たまたま出張に行った可能性もありえますが、三つと友達になっているとすれば、その地域に住んでいる可能性が高いといえます。つまりエリアマーケティングの精度を上げることができるのです」(田端氏)
このほかにも、「LINE LIVE」での番組視聴状況も有望のようだ。だが、活用するデータはあくまでも関連サービスの利用状況などであって、「LINE上のユーザー同士のメッセージのやり取りではない」点を強調した。
認知からトライアル購入まで様々な形で活用
ここからは実際にクライアントがどのようにLINE Ads Platformを活用しているのか紹介する。まず挙げられたのは「テレビCM的な使われ方」だ。たとえば、20代男性をターゲットとしたスマートフォンゲームの認知拡大を狙い、LINE Ads Platforrm内でテレビCMクラスの予算を使い広告出稿を行った企業もあるという。
「スタートして2ヶ月が経過しており、広告主の皆さんも本腰を入れて出稿してきています。特に動画に対しては、相対的に高単価での入札が続いています」(田端氏)
これに加えて、通販事業者のお試しトライアル購入を目的に使われるケースも多いという。やはりLINEの広いリーチに期待してのもので、「潜在的なお客さんに対して幅広く呼びかけるような部分が得意」と田端氏は分析した。
さらに、タイムラインの特性がこれらの企業の広告効果につながっているという。「メッセージとは異なり、タイムラインは何か面白いものないかな、友達は何しているのかな、と心理的、時間的に余裕があるときに見ていることが多いんです。そういう状態の顧客に対して、サンプル申し込みやお試しでのアプリインストールは受け入れやすいのでは」(田端氏)