導入企業は多数。まずは、実店舗とデジタルの融合に。
このSAP Hybris Commerceの仕組みを活用して、既にオムニチャネルでのビジネスを展開している企業は多数あるという。例えばアパレルなら、実店舗とデジタルチャネルの在庫を融合して一元管理したいというニーズがある。商品の発注・決済はECサイトで行い、実店舗で受け取れるようにしたい場合、SAP Hybris Commerceを活用すれば、実店舗とデジタルチャネル両方の在庫情報とオーダー情報を一元管理することができる。その上で、顧客が接する画面はPC、モバイル、実店舗と多様に展開が可能だ。
「このようなプロジェクトを進めることは、今や普通のことです。むしろ、検討すらしていないとしたら業界を取り巻く状況や顧客の行動をよく観察されたほうがいいかもしれません」(阿部氏)
既にシステムが乱立している場合は、どう一元化すればいい?
このような状況の中で各社が共通して抱える悩みは、実店舗とECの仕組みが乱立してしまっていることだという。同じメーカーでも、ブランドごとにECの仕組みが異なる場合もあるため、それらのバックエンドとフロントエンドの仕組みを全て1つにまとめることは非常に難しくなっている。
例えば、個別のECシステムを利用しているブランドAとBを統合したいとする。当然、ECの統廃合も必要になるが、2ブランドは裏で別の基幹システムにつながっているため、その統廃合も行わなければならないケースもある。さらに場合によっては、実店舗の統廃合の話も発生し、どこから手をつければいいのかわからない状態になることも珍しくないという。
「そこで当社がご提案しているのが、フロントのシステムもバックエンドの仕組みもバラバラのまま、その真ん中にSAP Hybris Commerceを置き、共通の仕組みをつくるというものです。そもそもの目的はお客さまにとっての購入の場を統廃合することで、新たな接点をつくってお客様へアプローチすることでしょう。ならば、無理に基幹システムを統合する必要はありません。中央で在庫情報の管理をして、購入情報などは個別の基幹システムに送る方法が適切です。データがどこに入ろうが、お客様から見た時に常に1つに見えるので、混乱もありません」(阿部氏)
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