運用は大変、でも自社アプリが魅力的な理由
ここまで、自社アプリの運用は大変だとお伝えしました。しかし運用が大変な分、大きなメリットがあると思っています。
本連載の第1回で活用したグラフを再掲しますが、アプリをうまく活用することができれば、Webサイトのセッションや売上に大きな影響を与えることができます。

( ※ノーリファラーを除外したもの)
また、実店舗のある企業がポイントなどと連携したオムニチャネル施策で活用した場合、高い効果が得られています。私の知る企業の中には、アプリ内のクーポン掲示による売上が40%から50%を占める企業もあります。
これほどまでに効果が出る理由は情報接触頻度の高さにあります。常に持ち歩き、スマホの画面にアプリのアイコンがあり、そこから最新情報を見ることができる。当たり前ですが、常に雑誌やチラシを持ち歩く人はいないですし、毎日検索してくれる人もまれです。
スクリーンの陣取り合戦で勝ち取った「アプリアイコン」がリマインドをしてくれるのです。
タイミング、内容を誤らなければ強力なプッシュ通知
加えて、プッシュ通知機能は強力です。通知をするタイミングや通知の内容には気を使う必要がありますが、ユーザーに直接情報を届けることができます。

ポイントの消滅に関する案内や誕生日、記念日に届くクーポンなどは嬉しいと思われる一方、定期的なプッシュ通知は35.3%が迷惑だと思うと回答しています。ユーザーにとってメリットの少ないプッシュ通知は迷惑と思われ、プッシュ通知機能をOFFにされ、本当に伝えたい情報が届かなくなってしまいます。
ここで必要なのは、ユーザーによって対応を変えることです。例えば、アプリを毎日開いてくれる人と開いていない人でプッシュ通知の頻度を変えるだけでも、ユーザーへの心象を良くすることができます。
また、プッシュ通知の許可率を上げるためのチュートリアルや、プッシュ通知以外での施策を展開するなどユーザーの状況に応じた最適な施策を展開することも有効です。
