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クリエイティブを“科学”する動画マーケティング

マーケターの「バズ志向」こそが炎上問題の背景?動画マーケティングの本質を改めて考える

「バズ」から「エンゲージメント」へ

 しかし、多くの人にシェアしてもらえるような動画を作ることに意味がない、という訳ではありません。シェアの価値は、オーガニック視聴が広がることではなく、「エンゲージメント」にこそあるのです。

 エンゲージメントとは、Facebookなどのプラットフォーム上では「いいね」「コメント」「シェア」や、場合によっては「クリック」も含めた、動画を見た人が投稿に対して起こすアクション、レスポンスを指しています。では、なぜこれらがエンゲージメントという単語で括られ呼ばれているのでしょうか。

 エンゲージメントという英単語は、本来「約束」や「婚約」を意味しています。そして、ベースには、義理や愛着、絆で結ばれた関係、という意味があります。したがって、人事用語で「従業員エンゲージメント」といえば、従業員が会社に対して持っている愛着や、忠誠心の話になります。

 ソーシャルメディアにおいて「いいね」や「シェア」がエンゲージメントと呼ばれるのは、それらの指標が、投稿および投稿主に対する好感、愛着、絆を示すものだ、と考えられているからです。

 前述のように、マーケティング活動は、自社ブランド・製品の存在を知らせ、興味や好感を持ってもらうことで、購入を検討する商品群の中に自社製品を入れてもらうことが主要テーマです。その意味でいえば、ブランド・商品に対する好感、愛着、絆を消費者にもってもらうこと(=エンゲージメントを結ぶこと)は、購入を促すために非常に重要で、本来これこそがマーケティングの目的であるはずなのです。

 つまり、「いいね」「シェア」「コメント」を多く獲得するような広告は、「オーガニック視聴」を稼ぐために作るのではなく、「ブランド・商品に対する好感、愛着、絆」を生み出すために作るのです。「バズ」ではなく「エンゲージメント」を目指すことこそ、動画マーケティングを行う上で絶対に間違えてはいけないことなのです。

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この記事の著者

小野 敬明(オノ タカアキ)

外資系コンサルティングファームにて戦略コンサルティングに従事した後、2014年に企業のデジタル動画マーケティングを支援する株式会社Viibarに参画。自社のマーケティング活動を統括すると共に、動画を活用したマーケティング戦略や、データを基にした動画の企画・制作メソッドの開発を行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/10/25 14:00 https://markezine.jp/article/detail/25442

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