『ゴーストバスターズ』がPRにスマホゲームを活用
――まずは河野さんの担当する領域について教えてください。
河野:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントには映画の配給やDVDの発売販売、テレビのネットワーク向け販売など様々な部署が存在します。ホームエンタテインメントは、部署名の通り、家で楽しむエンタテインメント、たとえばブルーレイ/DVD、デジタル配信のESDやVODを提供しています。私は、そういったもののマーケティング全般を担当しています。
――今回、映画『ゴーストバスターズ』のホームエンタテインメント商品の認知拡大と、態度変容および購入促進にスマホゲームを活用されたと伺いました。具体的にいつ、どのようなことをされたのですか?
河野:8月19日に『ゴーストバスターズ』という作品が映画館で公開されました。これに合わせて8月の末頃から、クロシードデジタルさんにご相談して、スマホゲーム内で告知を打ち、アンケートを展開しました。
――映画の公開からすぐのタイミングで施策を展開されるのですね。
河野:劇場の公開からDVDの発売日までの期間が年々短くなっています。現在だと早ければ、映画の封切りから4ヵ月後にはDVDなどの発売やレンタルが始まっています。ですから、劇場公開のタイミングには様々なプロモーションの仕込みをしている必要があります。
8月末の段階では、DVDの発売等の告知解禁日よりも前なので、商品の告知よりも『ゴーストバスターズ』という作品がありますよ、という露出が中心でした。あわせて、この映画を見たいですかとか、そういったジェネラルなアンケートを実施しました。
DVD購入の予約開始日である10月21日からが2つ目のフェーズです。商品を露出してDVDを購入したいかといったアンケートを行いました。また、8月のアンケートで反応の良かった方々を中心に、ダイレクトメールの配信をして、購入予約をしてもらえるように施策を展開しました。
エンタテインメントが増える今、DVDをみてもらうために
――今回、手段としてスマホゲームというチャネルを選んだ背景は何ですか?
河野:20代30代へ情報を届けたいと考えました。私たちのビジネスで中心的に取り扱う作品は、ハリウッド映画で、一般的にブロックバスターと呼ばれる莫大な製作費をかけ、大々的に宣伝を行うものです。現在、このような海外の大作映画が選ばれにくくなっている傾向があり、DVDにも大きな影響があります。
というのも、現在、映像を手軽に見る機会が増えています。たとえばYouTubeでは無料で面白い動画を視聴できます。さらに、可処分時間を奪い合うという意味で競合を考えると、スマートフォンの台頭で競争が激化しています。すると、映画から離れていく人たちが出てきます。特に若者は使えるお金が限られていて、一方で無料のエンタテインメントが手軽に体験できる環境が整っているので、そちらに流れてしまうのも仕方がないことかと。
実際、私たちの洋画DVDマーケットを見ると、主な購買層は40代以上の男性。レンタルだと40代から60代の男性がメインユーザーです。20代30代にどうやって広げていくか、常に課題として考えています。