グローバルにおけるSNSの現状は?
――まずはSNSについてお伺いします。例えば日本だとFacebook、Instagram、Twitter、LINEが主に企業に活用されています。グローバルではいかがでしょうか?
グローバルでも基本的には同じようなチャネルが使われています。ただし、地域や国によって環境が違うケースもあります。たとえば日本におけるLINEや、中国における微博とWeChatです。我々を例として挙げると、オラクルのコーポレートにおいては、Facebook、Instagram、Twitter、LinkedInを使っています。その中では、Instagramが大きな成功を収めています。
また現在フォーカスしているのはSnapchatです。オラクル・コーポレーション、CTOのラリー・エリソン自らが率いているオラクル・チームUSAというセーリングチームがありますが、そちらはSnapchatをメインのチャネルとして使っています。
――日本ではLinkedInが浸透せず、LINEが普及したのはなぜだと思いますか?
日本人の同僚に聞いた視点からしかお話できませんが、個人のスペースとビジネスのスペースの切り分けがネックとなり、浸透が難しいのではないでしょうか。ビジネス環境において、SNS上に自身を公開することに対し、安心感が持てないのが理由ではないかと聞いています。
同時にそういった背景があるからこそ、日本ではLINEのようなメッセージのプラットフォームが人気なのだと思います。LinkedInに固辞する必要はなく、日本にあったプラットフォームを見つけて、ユーザーとコミュニケーションしていくことが重要です。これはオラクルのSNS運用でもそうしようと考えているのですが、スタンプや絵文字を使用し、日本独自のリッチなビジュアルの文化を上手く活用する必要があると思っています。
――オラクルでは、どのようにSNSを活用しているのですか?
コーポレートSNSの運用のほかに、先程申し上げたオラクル・チームUSAというセーリングチームのマーケティングにも、SNSを活用しています。彼らはレースの動画だけでも十分エキサイティングなのですが、同時にテクノロジーのストーリーを伝えるという意味でも大きな貢献をしてくれています。
具体的には、データをリアルタイムに可視化、分析しながらヨットを操縦していますので、ヨットのコースやヨットの構造・設計そのものに変革をもたらしたのです。このような形で、技術の進化が加速していることを、データ活用という視点からチームのストーリーを通じてユーザーに伝えています。