「コーラ飲みたいっ」の瞬間に応える、超音波×TVCM×アプリ
【概要】
キャンペーン名:Second Screen Reinvented
国名:イスラエル
業種:飲料
ブランド名:Coca-Cola

近年注目されている、超音波を用いたマーケティング。人間の耳には聞こえず、スマートフォンなどのデバイスが認知できる周波の音を出すことで、様々な情報を端末に送信するという手法です。
この技術を使って、イスラエルのコカ・コーラがユニークなテレビCMを公開しました。同社は大手タクシー会社と提携。テレビCMで超音波を発し、タクシー会社のアプリを通じて視聴者のスマホに無料でコーラをプレゼントするプッシュ配信を行ったのです。
視聴者がスマホに現れたリンクをタップすると、付近を走行しているタクシーのドライバーが冷えたコーラを数分以内に自宅まで届けてくれるという仕組み。CMを見てコーラを飲みたいと思った時にすぐに飲める、つまり“見て、聴いて、味わうコマーシャル”というわけです。
“超音波を使ってデバイスにアクションを起こす”というプロモーションは、テレビに限らず店内・車内放送やラジオなどでも活用できるため、様々なシーンで応用可能。今後もユニークな施策が展開されることが期待されます。
Gett Coca-Cola: Second Screen Reinvented from Gefen Team on Vimeo.
亡くなった詩人も参加? ベルギーの不思議なサイン会
【概要】
キャンペーン名:The Impossible Signing sessions
国名:ベルギー
業種:小売
ブランド名:bol.com

毎年ベルギーのアントワープで開催される人気イベント「ブックフェア」。今年は大手オンラインショップ「bol.com」がプロデュースした斬新なサイン会が話題を集めました。
12日間にわたるイベント期間中、ベルギーの人気作家8名のサイン会を午前10時〜午後6時まで一切の休みなしで行うというのです。驚くべきことに作家の中には、90年前に亡くなった詩人も名を連ねていました。
この異色のサイン会はどのようにして実現したのでしょう?
種明かしをすると、ロボットが作家の代わりにサインをしていたのです。各作家の筆圧、ペンを持つ角度、書き込み速度などをロボットにインプットし、作家本人の筆跡を見事に再現。本にサインをしてもらう方法も簡単で、タブレットを使ってサインを希望する人を選び、その後、自分の名前を入力します。後はページを開いて、本を台の上に置くだけ。
大人も子供もロボットがサインをする様子に興味津々で、イベントは大盛況に終わりました。
'The impossible signing sessions' by Bol.com at the Antwerp book fair from DDB Brussels on Vimeo.
献血登録者数1,800%アップ! ハッシュタグを活用した啓蒙施策
【概要】
キャンペーン名:Hashtags for life
国名:ペルー
業種:非営利団体
ブランド名:Red Cross

ペルーの人口は約3,000万人。それに対し献血登録をしている人はわずか1,250人。この厳しい現状を改善すべく、赤十字がペルーで行ったのが「命を救うハッシュタグ(Hashtags for life)」プロジェクトです。
内容はいたってシンプル。ハッシュタグに、「自分の血液型(A/B/O/AB)」、「RH(+/−)」、そして「PERU」を付けてSNSに投稿するのみ。O型RHマイナスの人は「#ONEGATIVEPERU」、A型RHプラスの人であれば「#APOSITIVEPERU」を投稿するといった具合。
投稿されたハッシュタグを元に、赤十字は登録者をデータベースで管理。緊急で血液が必要になった場合は、データベースから血液型適合者を探し、SNSのダイレクトメッセージ機能を使って直接登録者に連絡を取ります。手間のかかるイメージがある献血登録がたった30秒程度で済ませられるというわけです。
同プロジェクトにより、新たに約23,000人が献血登録をし、登録者の数は当初の1,800%にまでアップ。更に屋外広告や新聞等での露出も行い、参加者はますます増加。数多くのメディアにも取り上げられ、大きな成果を挙げました。
今年の振り返り記事、いかがでしたか? 皆さんのインスピレーションを掻き立てる事例を一つでも紹介できていたとしたら何よりです。尚、今年2016年のアイディア溢れるプロモーション事例をもっともっと知りたいという方は、是非AdGangもご覧ください。それではまた来年!