日本ハムのオウンドメディア「BBQ GO!」とは
バーベキュー情報サイト「BBQ GO!」をご存知だろうか。全国のバーベキュースポット情報や楽しみ方、レシピなどを提供する、日本ハムのオウンドメディアだ。同社はなぜ、バーベキュー情報サイトを立ち上げることになったのだろうか。仕掛け人の一人である日本ハム コーポレート・コミュニケーション推進室の藤本氏が、その経緯を語った。
「2014年に転換期がありました。当時はコーポレートサイトを中心に運用していたのですが、ユーザーの利用実態を調査したところ『企業目線の情報に興味がない』『キャンペーン情報にしか興味がない』という意見を多数いただいたんです。そこに課題感を感じ、コーポレートサイトに安住せずより消費者に近いところへ自ら出て行こう、という方針が決まりました」(藤本氏)
こうして立ち上げが決まったオウンドメディアだが、どのようなコンテンツを提供するのか選定する必要があった。そこで同社は、「同社の事業に関連がある」「多くの消費者にとって自分事である」「競合に勝てる可能性がある」という3つの大条件を定め、選定を進めた。
日本ハムとバーベキューの意外な関係
そこで浮上したのが、バーベキューだ。藤本氏は、日本ハムとバーベキューの関係についてこう語る。
「日本ハムというと、食肉加工品のイメージが強いかと思いますが、食肉メーカーとしての顔もあります。実は1兆2,000億円ほどある年間売上の大半を鶏肉、豚肉、牛肉などが占めており、国内の食肉販売量のうち、約20%のシェアを獲得しています」(藤本氏)
同社の調査によると、バーベキューで最も求められる食材は牛肉で、次いでソーセージとなっている。つまり日本ハムは、バーベキュー市場が拡大することで恩恵を受ける立場にあるのだ。しかし、日本ハムがオウンドメディアのコンテンツにバーベキューを選んだ理由は、単純にこれだけではない。続けて同氏から語られたその理由は、非常に論理的に考えられたものであった。