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イベントレポート

日本ハムのオウンドメディア「BBQ GO!」に学ぶ 成功したいなら「ユーザー視点でのPDCA」を回せ


サイト立ち上げ前に徹底的に「シーケンス分析」

 「バーベキューの検索ボリュームを確認すると、約1,500万回と十分な量がありました。そして、当社の事業と親和性も高い。そこから本当に利活用できるテーマなのか、競合に勝つことができるのか、シーケンス分析を進めました」(藤本氏)

 初めに行ったシーケンス分析は、バーベキューというテーマにおけるコミュニケーション接点をどのように利活用できるか、だった。バーベキューに隠れているいろいろな消費者ニーズをキーワードごとに分解。それに応じて提供すべき情報を明らかにし、接点ごとに利活用シナリオを構築した。

キーワード 消費者ニーズ 提供すべき情報 利活用シナリオ
バーベキュー,幹事 企画に合うバーベキュー場を探したい バーベキュー場マッチング 自社製品を取り扱うバーベキュー場を優先しマッチング

 たとえば「バーベキュー,幹事」というキーワードに対し、「企画に合うバーベキュー場を探したい」というニーズに応える「バーベキュー場マッチング」という情報を提供すべきだと明らかにする。その情報を利活用するためには、「自社製品を取り扱うバーベキュー場を優先しマッチング」するといった具合だ。

 その後、競合についてもシーケンス分析を行った。こちらもバーベキューに関するキーワードごとに、情報の入手方法、競合、競合の強さなどを分析し、攻略方法を具体的かつ現実的に明らかにした。

成功のための、3つのポイントと2つの戦略

 「BBQ GO!成功のポイントは3つありました。その1つめが、入念な事前研究です。2つめが具体的な戦略と戦術、3つめが戦略と戦術を遂行できる組織体制です」(藤本氏)

 2つめのポイントである具体的な戦略と戦術において、同社が立てた戦略は2つあった。1つは物量集中作戦(ランチェスター戦略)。BBQ GO!では検索エンジンを主戦場だと考えSEO対策を行ったのだが、その際SEOはフェアな場だと考え、「良質な情報」「豊富な情報量」「独自性」を徹底し、競合を凌駕することで解決できると考えた。

 もう1つはリーンスタートアップ戦略。失敗を恐れず何度でも改善し続けられるよう、「仮説構築」「検証・計測」「修正・改善」をスピーディーに進められる、小回りの利く体制を整えた。

BBQ GO! TOPページキャプチャ

 「その他には、継続してコンテンツを生産するための仕組みを、サイト公開前に構築しました。オウンドメディアでよくある『ネタ切れで困る』ことがないよう、どのようなコンテンツが必要で、それをどうやって生産するのかを事前に決めておいたんです」(藤本氏)

 世の中には、勢い良く始めたものの更新が滞ってしまったオウンドメディアが、多数ある。コンテンツを生産し続ける仕組み作りは、オウンドメディア運営において非常に重要だと言えるだろう。

 同氏が最後に語った成功のためのポイントは、策定した戦略と戦術を遂行できる組織体制についてだ。オウンドメディア運営においてパートナー企業を選ぶ際は、「一緒になって熱く取り組めるかどうか」を基準にすることを勧めた。

 「オウンドメディア運用におけるポイントは、『利活用できるテーマを選ぶこと』『勝てるテーマを選ぶこと』『具体的かつ現実的な戦略・戦術を立てること』『戦略・戦術を遂行できる組織体制を気付くこと』です。机上のものでも良いので、論理的に説明できる戦略・戦術を構築し、遂行できる体制を作ることが重要です」(藤本氏)

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PDCAは「ユーザー」を軸にして回す

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/02/27 15:48 https://markezine.jp/article/detail/25750

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