次世代のアーキテクチャに求められる、4つの要素
小口氏によると、次世代のコンテンツ管理へのニーズに対応するため、このプラットフォームは以下の4つの大きなアーキテクチャを備えている。
1つ目は、コンテンツのサービス化(CaaS:Content as a Service)。
2つ目は、ヘッドレスCMS。共通のAPIを使うことで、コンテンツ部分のみで、マルチデバイスなど様々なディスプレイへコンテンツを提供することができる。こうしたヘッドレスCMSは、すでに海外の企業でも利用されており、入力された製品情報が社内資料や顧客へのオムニチャネルへ、誤った情報が届かないように、一元的に利用されている。
3つ目は、分離アーキテクチャの採用だ。制作環境と公開環境が相互に依存しない分離アーキテクチャの特性により、「TeamSite」および「LiveSite」は安全で高パフォーマンスな環境を提供できる。分離していることで、仮に制作環境のダウンがあっても、公開環境に影響しないメリットがある。
4つ目は、マイクロサービス化。Webサイトのページに複数のサービスを組み合わせた、他システム連動ページの構成により、各サービスは様々なデータ、外部サービスを独立したコンポーネントとして構成管理できる。コンポーネントは様々なページに配置でき、ビジネスユーザーがサービスを自由に組み合わせ可能だ。
たとえば、航空券予約サービスなどで、外部のサービスがもっている予約状況などを取得して公開したり、外部のニュースサイトの連携といったことをコンポーネント化して、再利用していくことで運用できる。
近年では、ある製品の広告をマルチデバイスやデジタルサイネージ、さらにメールなど多岐にわたって配信することが当たり前となっている。そうした中、スピーディにコンテンツ管理ができる体制を整えていく必要があるという。
最新版で明らかに変わった、オープンテキストのUI
現在、大手リテール、ハウジング、製造業、金融系など、トップ企業で導入している同社のプラットフォームだが、最新版では大きくUIが変わった。特にTeamSiteでは、ビジネスサイドのユーザーが使いやすいように、キャラクター(文字情報)ベースのUIから、ビジュアルベースのUIへの大幅な変更がなされている。
仕様変更はビジュアルだけではなく、ドラッグ&ドロップによるアセットのインポートや、画像ファイルのマルチデバイス対応における自動変換、HTMLファイルからテンプレートを自動で生成するといった機能も追加。新規ユーザーが本プラットフォームへ移行する際の壁となる、システムの統合化も非常に用意になった。さらに、サイトのページ制作で利用できるコンポーネントも複数用意。制作したいサイトの目的に合わせて、コンポーネント要素を組み合わせて、簡単にページのレイアウトを作成することができ、ワンソースでマルチチャネルに対応したデザインを作成できる。この際、各デバイスでのプレビューを一括で表示することが可能で、確認作業を大幅に削減できるようになった。
その他、最新アップデートでは、各デバイスでの表示スピードのシミュレーションや、シンプルな操作での公開承認申請、ワークフローモデラーによるユーザーのプロセスの視覚化など、様々な新機能を盛り込んでいる。
これらの変更により、Webサイト構築の専門家でなくても、よりハイエンドなWebサービスの運用が行えるようになった。
Web接客、マーケティング最適化機能を実装したOptimost
公開後のソリューションとしてオープンテキスト社が提供するのが、「OpenText Optimost(以下、Optimost)」だ。「Optimost」は、ECサイトで近年ニーズが高まるWeb接客(ウェブ接客)やマーケティングを最適化する機能も網羅している。
パーソナライゼーション機能。振る舞い、顧客プロファイル、アクセスしてきた場所の地理情報、人口統計をベースに、訪問者に最も関連するコンテンツを提供する。これに連動して、レコメンデーション機能も用意されている。購買するサイトであれば、サイト訪問者を、購買促進コンテンツや他の購入オプションに導き、購買を後押しする。
また、パーソナライゼーションをさらに有効にする、ターゲティングおよびセグメンテーション機能も搭載。地理情報やIPアドレス、リファラー、アクセス元のデバイス・OS・ブラウザ・URLアクセス・クッキーの値を分析する。
このような施策は、テスト機能で検証を行うことができる。確かなデータに基づく意思決定…購買の率が高いものを追求し、コンバージョンをあげるための施策として、A/B/n テスト、多変量テスト(MVT)を実施する。テストで検証を行った際には、分析機能で結果をレポートにし、一覧性のある情報でユーザーのPDCAをサポートしてくれる。
以上が、オープンテキスト社が提供する、マネージドサービスである。ツールの提供だけでなく、コンサルティングまでを一貫して行うことで、包括的なWebサービス運用の支援サービスを提供できる。